内容説明
長谷川平蔵の組織管理術から料理の愉しみ方に見る“男の生き方”。前警視総監が自身の経験と重ね合わせた洒脱の書。
目次
第1話 「憎みながらあわれみ、あわれみつつ闘わねばならぬ」(『礼金二百両』)―勇と情と智と
第2話 「旦那。どちらへ」「ともかくも舟を出せ」(『密告』)―美しく懐かしき江戸の響き
第3話 「平蔵たちは、江戸市中の道すじをことごとく諳んじていた」(『山吹屋お勝』)―今昔地理物語
第4話 「やさしくて、あたたかくて、そして怖いお人」(『用心棒』)―組織と指導者
第5話 「世の中は、うわべだけで人の値うちをはかってしまうゆえ」(『霧の七郎』)―漫談『上げ底文化』
第6話 「亭主が、熱い酒と共に田螺とわけぎの饅を」(『暗剣白梅香』)―食の風景
第7話 「はて…?そのとき平蔵の脳裡に閃いたものがある」(『春雪』)―犯罪捜査の基本
第8話 「絶望に直面したときには、まず笑ってみるのがよいのだ」(『兇剣』)―平蔵危機一髪、奈良の旅
第9話 「なれど息絶えた後は、おだやかな死顔になる」(『女密偵女賊』)―ムソルグスキー『展覧会の絵』の秘密
第10話 「われらがむりをしていればこそ、世の中がしずかなのだ」(『山吹屋お勝』)―私説・鬼平犯科帳
感想・レビュー
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Hisashi Tokunaga
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<メモ再読>;大勢が並んだ昼食会。一番偉い人が真ん中に坐り、左から取るべきパンを右から取り始めた。席の右端にいた私はパンをとることができなかった。これって忖度の典型例じゃない?(2018/11記) 著者は警視総監だった人だったんだ。秋刀魚を焼くご隠居に「ちょっと見ていてくれ」と頼まれた与太郎は、猫がくわえて逃げるの見ていた。「おいらちゃんと見ていた」というオチ。ところでこれは違法性阻却事由になるところまでは、元警視総監は書いてなかったと思ったけどドウだっただろう?(2015/6記)2018/11/28
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