出版社内容情報
猫のラッテは植物を育てるのが大好き。ある日、不思議な鳥が庭に種を落としていきました。
「なんの種だろう?」
ラッテはいろいろ調べたり、友だちに相談したけれど、この種が何かはわかりません。
「何がでてくるかわからないけど育ててみよう」
ラッテが、種をまいてみると、やがて芽がでました。ラッテは楽しみでなりません。
「花が咲くのかな、それとも大きな木になるのかな」
芽は少しずつ大きくなり、ある日、青いつぼみをつけました。
「いったい、どんな花がさくんだろう」
ところが、つぼみはかたいまま。夏が過ぎて秋も終わり、冬をこえてまた春がきたのに、ちいさなつぼみはとじたままです。まるで、つぼみだけ、時間に取り残されたよう。それでも、ラッテはお世話を続けます。強い風で倒れないよう、暑いひざしで枯れないよう、だいじにだいじに…。
猫とちいさな緑のやさしさ溢れる物語。
著者等紹介
庄野ナホコ[ショウノナホコ]
イラストレーター、絵本作家。2014年『ルッキオとフリフリ おおきなスイカ』(講談社)で絵本デビュー。雑誌、書籍のカバーイラストレーションも多く手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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starbro
139
表紙絵に魅かれて読みました。庄野 ナホコ、2作目です。シンプルなストーリーだけど、素敵なファンタジーだにゃあ (=^・^=) https://www.komineshoten.co.jp/search/info.php?isbn=9784338261470 【読メ😻猫部】2025/06/12
k sato
16
ラッテの目の前で、ナゾの青い鳥が落としていった猫の手サイズの青いタネ。ある晩、神秘をまとった青い花が咲きました。しかし、光の粒を放ちながら一瞬で散ってしまったのです。そして、新たに実ったタネ。一部始終をみていたラッテの前に、あの鳥が再来し、タネを運んでいきました。これは空想や幻想ではなく、実は自然界でも起きていること。周食型の植物は、果実ごと野鳥に食べてもらい、遠く離れた場所で芽を出すこともあるのです。ヒヨドリはその役目を果たす代表的な野鳥。青い鳥と青いタネは、幸せのご縁を紡いでいるのかもしれません。2025/07/22
ほんわか・かめ
14
どこからともなくやってきた鳥が落としていった種。どんなふうに育つのかな、どんな花が咲くのかな。ラッテは丹精込めて育てますが、つぼみをつけたままでなかなか花は開きません。夏が来て秋が終わり冬になっても…。ここまでは正直単調でしたが、このあとが怒涛の展開!あっという間に手元から離れていきますが、その後どこかでまた命を繋いでいると思えるのが良いですね。きっとあの鳥も育ててくれる人を見極めて種を託しているのでしょう。〈2025/小峰書店〉2025/07/05
さとみん♪
5
ふしぎな鳥が落としていった種…調べたり、相談したりしてもよく分かりません。 よく分からないけど、植木鉢に撒いて水をやり毎日お世話をしていくと…。 なんとも不思議なお話でした。2025/07/13
たくさん
4
私は物語に意味を求めるので、ラッテがひっしにそだてて一日で花開いた成果物をまた勝手に鳥が持っていくっていうめぐりが意味がないように思えてかわいそうに思いました。だけれど本当に生き物を育てる人は成果物でなく過程・経緯が楽しいのかもしれませんね。2025/06/27