著者等紹介
坪田譲治[ツボタジョウジ]
1890岡山県御野郡(現・岡山市島田本町三丁目)に生まれる。1915、6月、早大を得業。1936、5月、『お化けの世界』により日本大学芸術科賞受賞。以後、数々の賞を受賞。1956、12月、日本児童文学者協会会長に就任。任期一年。1964、1月、芸術院会員に推挙される。1982、7月7日、永眠
松永禎郎[マツナガヨシロウ]
1930年東京に生まれる。東京芸術大学卒業後、ニッポン放送、フジテレビの広報活動を経て現在の仕事に入る。作品に『しろふくろうのまんと』(サンケイ児童出版文化賞)等がある。第10回サンリオ美術賞受賞
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感想・レビュー
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Yu。
24
親の心配どこ吹く風とまでは言わないが、両親が抱える厳しい現状に相対するかのような子供達の力強い活き活きとした描写に思わず笑みが溢れる五編の坪田ワールド。。特に印象深かったのは、拘留されてしまった父親の帰りを待つ二人の息子達(特に次男 三平)の落ち込むよりも子供らしい元気一杯なヤンチャぶりが微笑ましい「風の中の子供」。吹けば吹くだけ不幸を呼ぶ“笛”に振り回される長男 善太のトホホぶりに魅了される「笛」。。最後に‥ 夫の、子供達の問題をしっかりと受け止める妻の存在を忘れるべからず(๑¯ω¯๑)2018/06/27
抹茶モナカ
17
小川洋子さんのラジオ番組の課題図書として取り上げられた『風の中の子供』を読もうと、図書館から借りた。児童文学のような、純文学のような、不思議と深みがありつつ読みやすい本。正太モノの死の空気感とか、児童文学と呼んで良いのか、深い。坪田さんのエッセイ、坪田さんについてのいろいろな方の短めの文章も収録されていて、そっちの方が読みやすく感じたのは年のせいか。全然知らない作家さんだったが、長生きされて、作家としての寿命は長かった方の様子。情景描写が細かすぎる気はしたけど、好きな生活感の世界。2020/05/19
のし
5
大人の事情に巻き込まれた子ども。でも、厄介者と察しても前向きに歩く姿は感動します。協力していく家族愛もまたよかった。2020/05/17
いろは
0
小学校ぶりに再読。当時は二人の弟に重ねて読んで涙した記憶があるが、今はやはり母親の気持ちのほうにぐっと来た。大人の都合で大人ぶらなければならない子供たちを不憫に思い、抱きしめてあげたくなった。子供は子供なりに、大人は大人なりに感動できる、まさに名作だと思う。2017/06/29
Andy
0
子供の頃に読んだこの本をふと再読してみたくなり、中古本ながらネットで取り寄せた。初めて読んだ時、鮮烈に心の中に浮かんだ情景が再現されるのを期待していたが、それはなかった。ただ坪田譲治氏が、かくも子供の視線で 繊細な子供の心の機微を表現したことに対する驚きは再認識出来たように思う。2013/09/01