善医の罪

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  • サイズ 46判/ページ数 403p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163912783
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

延命治療の中断を決意した女医、白川を襲った悲劇。現役医師が圧倒的なリアリティで描いた、スリリングな医療小説。

内容説明

意識不明の重体で運ばれた、横川達男。主治医の白石ルネは、延命治療は難しいと治療を中止。家族の同意のもと、尊厳死に導いた。三年後、カルテと看護記録の食い違いが告発される。白石は筋弛緩剤を静脈注射したというのだ。医療業界を揺るがす大問題へと発展し、検察は彼女を殺人罪で起訴した。保身に走る先輩医師、劣等感を感じる看護師、虚偽の報道を繰り返すマスコミ。様々な思惑が重なり合い、事態は思わぬ方向へと転がって―。

著者等紹介

久坂部羊[クサカベヨウ]
1955年大阪府生まれ。大阪大学医学部卒。二十代で同人誌「VIKING」に参加。外務省の医務官として九年間海外で勤務した後、高齢者を対象とした在宅訪問診療に従事。2003年、『廃用身』で作家デビュー。14年、『悪医』で第三回日本医療小説大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

305
久坂部 羊は、新作中心に読んでいる作家です。安楽(尊厳)死を考えさせられる医療ミステリ、超高齢化、認知症の増大、老人徘徊・行方不明の激増の社会では、安楽(尊厳)死法の早期法制化が必要です。いずれにしても、私は、善意のハーフ美人女医の味方です(笑) https://kusakabe-yo.com/2020/11/06

ウッディ

185
患者の遺志を尊重し、穏やかな最期を迎えるため、無為な延命治療を止めた医師のルネは、3年後、同僚の医師と看護師の妬みから、告発される。法的に安楽死が認められていない日本では、患者や家族のことを想い善意で行った処置が殺人の罪に問われてしまうという問題を提起した考えさせられる物語でした。かけがえのない命を扱う職業だからこそ、善意と悪意という曖昧な基準で、尊厳死や安楽死への行為が正反対の意味を持ち、裁かれてしまうことの危惧を感じた。欲と保身で罪をでっちあげようとした悪党たちが、本来の医療を歪めるのかもしれない。2021/05/04

kaoru

137
中堅医師白石ルネは、脳卒中で危篤になった患者の延命を中止したことで3年後に遺族から訴えられる。彼女に嫉妬する麻酔医や看護師、病院側の様々な思惑などが絡んで窮地に立たされるルネをさらに追い込むメディア。尊厳死に対する法の未整備、裁判所側の医療に対する無知さなど現代日本の問題をえぐる視点は現役医師だからこそ。人の生死という大きな問題であるため法も慎重にならざるを得ないのだろうが、高齢化が進むばかりの日本では避けて通れない問題だ。医学という世界に潜む歪みも書けている。山際医師や寺埼弁護士など良心を持った→2021/01/23

ゆみねこ

116
延命治療の中断を決意し家族の同意のもと器官チューブを抜いた主治医・白石ルネ。。その直後に起きた予期せぬトラブル、見守る家族にショックを与えないようにととった措置。しかし3年後カルテと看護記録の食い違いを告発された。殺人罪で逮捕・起訴、そして判決。帯の「善意の名医か、患者を殺した悪魔か」、とても読み応えがあり、尊厳死と安楽死について考えさせられた1冊。2020/12/15

おくちゃん🌹柳緑花紅

108
延命治療の中断を決意した女医、患者は延命治療を望んでいなかった。このままだと患者を苦しめるだけ。多臓器不全状態ならば、、、家族の合意を得たつもりが、三年後ある人物が殺人だと内部告発。どうなる?尊厳死も安楽死も法制化されていない現在では善意のつもりの医療も殺人と!裁判では有罪判決!だったら現場の医師はもう救急蘇生しなくなる?心肺停止で運ばれてきた患者に手を出さなければ無罪。下手に蘇生させて酷い状態を避けるために治療を中止したら殺人罪、だったら助かる命も助からなくなる。個人的には早期の法制化を望む。2023/07/05

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