出版社内容情報
ピカタカムイは,神の国の風の女神。思いのままに空を飛び,風をおこします。ある日,いたずら心で,アイヌの村に風をおこすと……。 小学校低学年~中学年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@ヴィタリにゃん
54
風の女神・ピカタカムイは、風の舞を舞って村中の家を吹き飛ばしたと思ったら、一軒だけ残っていた。何度強い風を吹かせてもその家だけは必ず残っている。ある日、アイヌの若者が訪ねて来てアイヌの舞を舞うとピカタカムイはズタズタにされてしまう。女神が名を聞くと、オキクルミだと言う。オキクルミは元々神の国にいた。それを知った女神はそれ以降、そよ風の舞しか舞わなくなり、平穏な村になった。2024/05/14
ゆうゆうpanda
36
アイヌの神話です。昔こんな神様がいました~ではなく「私はピカタカムイという女神 神の国の風の神です」と始まります。神様自身が語るのが珍しいと思います。神の存在が確かで、感情移入できる対象である…アイヌの人と神の関係性は面白いです。この女神、悪戯者の悪い神。退屈を紛らわすためにアイヌの村吹き飛ばします。何度も。抗議に来たオキクルミに風を操る力でこてんぱんされ、その後はそよ風を吹かせる良い神に変わります。オキクルミは人間と暮らす神、アイヌ神話の主役です。俄然興味が湧きました。『オキクルミのぼうけん』早速予約!2016/02/28
山猫
23
カロンさんから。アイヌ民話の形式には「当事者が語る」という特徴がある。多神教で善神悪神がいるところはギリシア神話に近く、オキクルミはヘラクレスに通じるものがある。風の神が人間や神を困らせるストーリーはゼフュロスとアポロン、ヒュアキントスにも似ている。2020/08/06
かおりんご
23
絵本。風の神様が意地悪なのだけど、それをオキクルミがやっつけちゃうところがいい!さすがオキクルミです。2020/01/23
shiho♪
21
図書室絵本。作者の萱野茂氏はアイヌ文化の伝承第一人者。 神の国の風の神ピカタカムイはアイヌの村を吹き飛ばすいたずら好きの女神。それに怒った村の若者、オキクルミ。彼は神の国からアイヌの国へいった守護神。オキクルミの説得によってピカタカムイは改心する。 あとがきによると、アイヌの神は絶対的ではないようだ。人間にとってためになる限りで神である、と。自然全てが神だけれども、アイヌの人たちにとって不都合ならばちゃんと言い聞かせるという神の向き合い方がとても新鮮に感じられた。2022/02/02
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- エルフ・17 6巻