内容説明
本書で扱われているイギリスの多文化・多民族教育の現実と対策―教育・宗教・生活・文化―は、外国人労働者を受け入れる以上、これ程までの覚悟があるのかを、つきつけている。外国人労働者問題は、労働力不足や経済問題以上に、多民族共生のための、学校・地域・共同生活・文化の問題であるのだが―。日本での現実はどうか。
目次
1章 移民の国イギリスとアジア系移民労働者の出現
2章 移民労働者の町ブラッドフォード
3章 エスニック・マイノリティと教育・文化の再生産
4章 人種的いやがらせと教育局の対策
5章 移民労働者の社会進出と共生への模索
迫り来る日本での問題
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Takao Terui
1
所属学科の院生に勧められて読了。ブラッドフォードの事例を中心とした分析レポート。1992年刊行と時代差はあるが、多文化・多民族社会の抱えるコストと課題を具体的な知識として知ることが出来る。安易な理想論にもとりつく島の無い否定論にも流されずに、移民問題について考えるための材料となる良書。2014/12/06
オキカサン
0
〇多民族教育とは、各民族の宗教、文化、習俗を尊重し、彼らの諸価値を教育にも反映させていく権利を認めること。 〇 フランス革命が単なる革命と区別されたのは、自由、平等、友愛という「近代的個の原理」を打ち立てたから。 ―いずれも本文から。2014/12/29