著者等紹介
ケストナー,エーリヒ[ケストナー,エーリヒ]
十四歳で教員養成所にはいる。第一次世界大戦が終わってからライプツィヒ大学にはいり、文学や歴史を勉強してドクターの試験に合格。ライプツィヒで新聞の編集部に勤めるかたわら、新聞や雑誌に評論や随筆などを書いた。二十八歳でベルリンへ出て、作家に。翌年、社会を風刺する詩を集めた『腰の上の心臓』と少年小説『エーミールと探偵たち』を出版した。三十二歳で、小説『ファービアン』と少年小説『点子ちゃんとアントン』を出し、ファービアンも評判になって、これが作家ケストナーの地位を高めた。六十一歳で“国際アンデルセン大賞”を受け、一九七四年に七十五歳で亡くなった
植田敏郎[ウエダトシロウ]
1908年(明治41年)広島に生まれる。東京大学独文学科卒業。ドクトル・フィロソフィー(ウィーン大学)。旧制静岡高校、東京外語大、学習院大、一橋大各教授、東北歯科大学名誉教授を歴任
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感想・レビュー
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anne@灯れ松明の火
22
(再読)別の作品に、「『飛ぶ教室』の5人の中で、どの子が印象深かったか?」という問いかけや「〇〇はマルティンで、△△はゼバスティアン」という言葉が出てきた。昔、読んだはずだが、記憶が曖昧で、すぐに図書館へ。できれば、その作品に出てきた「光文社古典新訳文庫」で読みたかったが、なかったので、2冊借りた。岩波少年文庫を先に読み、もういいかと思ったが、こちらもパラパラめくっていたら、すぐに全部読めてしまった。少し、子ども向けに訳されているようで、すんなり頭に入ってきた気がする。2022/02/18
seraphim
18
読友さんからのご紹介。児童書の名作として名高いこの作品を、そのうち読まねばと思っていたので、ちょうど良い機会だった。クリスマスの頃のお話。寄宿学校を舞台にした少年達の友情と素敵な先生達との触れ合いの物語。殴り合いのケンカをするなど、前時代的なところもあるが、当時の少年達の生き生きとした青春が読み取れる。ベック先生とマルチンのやり取りにホロリとした。2017/11/03
あんちゃん
3
言葉選びに配慮を感じる。前のふたつの訳では難しい言い回しを噛み砕いていたり、台詞にも現代の私が感じる少年らしさが出ていた。それでいて固さと古くささも残っているのがいい。終盤で打ち解けてくるベック先生の描写だけでなく、全体的に情景描写が繊細になっている気がする。違う装丁で出ていないものだろうか。それと終わりカギ括弧の誤植が一点みうけられる。それをふまえてもおつりが来るほどすばらしい作品なので、評価のうちには入らないが。挿絵が入っていないのも特徴のひとつか。2013/02/26
caracal
3
索漠たる日々に荒む心も、ほっと明るむ暖かな物語だった。クリスマスの頃のドイツの寄宿学校の少年に起こる出来事を通し、友情や家族愛、助けること助けられることなどの親和的人間関係の大切さが伝わってくる。ただ、この版に関しては一部、誤植では…と見受けられる箇所があるのが気になった。2012/01/08
biba
1
時期が真逆だったからか、男の子の行動に入り込めなかったからか、なぜかはわからないけれど頭に入ってこなくて残念でした。読みたかったお話だったので、時間をおいて再チャレンジしようと思います。2021/08/28