内容説明
京都の青物問屋「枡屋」の長男として生まれた若冲が「奇想の画家」として世に出るまでを描く。
著者等紹介
黒田志保子[クロダシホコ]
児童文学を学ぶため、梅花女子大学児童文学部へ編入学。同校卒業後、児童文学創作集団プレアデスで創作を学ぶ。97年「なれない!」で第5回小梅童話賞優秀賞受賞。日本児童文芸家協会会員。「プレアデス」同人。『若冲―ぞうと出会った少年』が初の単行本(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
149
図書館本。若冲が絵描きになるまでの物語。ただちょっと物語的に起伏がなく、物足りなさを感じました。すいません。2016/06/03
♡ぷらだ♡お休み中😌🌃💤
61
表紙に惹かれて。本書は、若冲の少年時代から錦市場の青物問屋の4代目を経て、40歳で絵師になるまでを描いた児童書。若冲といえば、「象と鯨図屏風」の優しい目つきをした大きな縫いぐるみのような象がお気に入り。享保14年徳川吉宗の希望で象が日本に来た。京都の御所にたちよることになり三条大橋を通った。14歳だった若冲は、初めて異国の獣、象をみる。その衝撃は大きく、この出会いが、絵師である若冲を目覚めさせた。若冲が描く象は、空想の産物だと思っていたがそうではなかった。だから魅了されるわけだ。爽やかな読後感。 2022/05/06
よこたん
36
表紙のイラストの印象そのままの、初々しくて優しい少年の物語。なんの予備知識もなくいきなり初めてゾウを見た衝撃が、少年の中にあった絵心、見たままに感じたままに描きたいという気持ちを突き動かした。何につけても不器用で、習い事も上達しないが商いの跡取りにならなければ…この息苦しさのなか、夢中になって絵を描いていく姿が生き生きとしていた。。児童書の読み物だが、あっさりとやさしい分かりやすい文章なので、挿し絵を入れて絵本仕立てにしても素敵だろうなと思った。2016/09/07
shiho♪
27
図書館YA棚から。2016年刊。10年くらい前に若冲ブームになったのが記憶に新しい。私も若冲の緻密で色彩溢れる絵に魅了された1人。そんな若冲の少年時代から40才で絵師になるまでのストーリー。青物問屋の跡継ぎとして運命を決められていた若冲。家業を継ぎながらも、絵師としての夢を諦めきれなかったところに夢は何歳でも追い続けていいんだと勇気を貰えた。 黒田さんは本書が初単行本の作家さんだそう。下調べも丁寧で文章も読みやすい。2021/12/04
活字スキー
26
享保十四年の春。京都は錦小路の青物問屋・桝源の長子・忠兵衛は、はるか遠い異国からやって来たという生き物に出会った。容姿はなかなかだが、商家の跡取りのくせにおそろしく字が下手で、仕事にも芸妓にも興味がもてない忠兵衛。父の急死を受けて一旦は店を継ぐものの、その心を占めていたのは描くことへの飽くなき想いだった。少年忠兵衛から稀代の絵師・伊藤若冲へと至る物語。 2020/01/02