内容説明
事件を起こした拓は仲間とはなれ、奈良の祖母のもとでくらすことになった。今と歴史が共存し、夜の闇が深い奈良の暮らしは、しだいに拓の心に不思議な変化をもたらしていく。春日の森で行き会う黒い服を着た謎の美少女や、並はずれた画才をもちながら、不良仲間にひきずられる同級生の瑠輝とかかわるうちに拓は、心の奥にひそむ甘えや、鬼の存在をのりこえていく。
著者等紹介
国元アルカ[クニモトアルカ]
神戸市に生まれる。近鉄百貨店勤務ののち、「こぶしの会」で作家岡信子先生に師事し、創作童話の腕を磨く。現在「プレアデス」「たまごまごまご」同人。2001年第10回、2008年第13回「児童文芸家協会創作コンクール」で佳作。2012年第15回同コンクールで「白瑠璃色に輝いて」が優秀賞、文部科学大臣賞を受賞。受賞作品を加筆推敲、『白瑠璃の輝き』と改題し刊行。初の単行本となる。日本児童文芸家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
橙夜(とうや)@積読消化強化中📚
7
【図書館】警察沙汰になるようなケンカをした拓は、後生も兼ねて祖母のいる奈良へ住み、転校することに。そこで出逢った不登校気味の男の子・瑠輝との友情と成長物語。表紙や十二神将がキーになってるからファンタジーかと思ったけど違った。終わり方がこれで完結なのか続くのかよくわからなかった。2021/05/29
chatnoir
7
タイトルとか場所柄でファンタジーと思い込んで読んだのがマズかった。NHKの中学生日記と思って読むべきだった(笑)主人公にとって十二神将は良心の化身なんだろう。初恋のオチはラノベ的だったなぁ。2016/06/26
pom
2
事件を起こして奈良の祖母の家で暮らすことになった拓はいじめられやすいタイプの瑠輝と知り合う。二人の友情、成長物語かな。高学年向け。2014/12/15
速水 舞
1
喧嘩が原因で、奈良に住む祖父母の元に預けられた主人公は、転校した学校でいじめられっ子の瑠輝と出会う。弱々しい瑠輝に最初は苛つく主人公だが、彼と関わるうちに考えがかわりはじめ…。表紙からサイキック物か?と勘違いしていましたが、違いました。ですが、柔らかな白瑠璃のような二人の爽やかな青春小説でした。2014/04/20
kanakokamodamon
1
主人公は、奈良の中学に転校してきた少年、大友拓。転校前はなかなかの問題児で、事件を起こしたことも。が、クラスで疎外されている瑠輝とかかわっていくうち、自分を見つめなおし、少しずつ成長していきます。拓自身の視線で丁寧に描かれていて、彼の孤独や迷い、それに気持ちの変化が、読む者の心に痛いほど伝わってきます。拓と瑠輝、二人の少年のその後をもっと知りたい、いえ、見守っていたくなりました。拓が偶然出会った、ゴスロリ衣装の美少女は誰か。ラスト近くまで明らかにされないこの謎も、大きな魅力です。