内容説明
山では、不思議で妖しい「なにか」とすれちがう瞬間がある。竹の底に眠る姫、祭りの雨をよぶ龍、時の果ての森の大樹…。深い山々をわたり歩いてきた「じいちゃん」にみちびかれ、「あたし」が出会ったのは、山の闇にすまう神さまたちだった。山人(やまんど)の孫娘が語る、四季の彩り豊かな奇談集。
著者等紹介
六条仁真[ロクジョウヒトマ]
香川県生まれ。広島大学文学部卒業。在学時に劇団を主宰し、脚本を手がけたことをきっかけに創作活動を開始。2006年「あばよ!とココロは目をとじた」で日本児童文芸家協会第12回創作コンクール幼年部門佳作入選。東京都在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ままこ
68
山には、いろいろなモノがすんでいる。山人のじいちゃんを持つ「あたし」が体験した不思議な物語。これは怖い、竹の底にいる姫の話。表の祭りと裏の祭りが深く繋がった雨祭。〈涙は古い心も洗い流してくれる〉この言葉はいいな。ドキドキハラハラする場面では飄々としたじいちゃんが大活躍。最初の話は最後にこう繋がるんだね。美しく妖しげな表紙も素敵。少女の素直な性格が現れた語り口もいい。清々しい奇談。2024/08/02
小夜風
28
【図書館】わあ♪何かこれ児童書にしておくの勿体ない!対象年齢は小学校中学年くらいらしく、字も大きめだし、お話もこじんまりとしているけど、素敵でした♪山では不思議で妖しい「なにか」とすれ違う瞬間がある。深い山々を渡り歩いてきた山人(やまんど)のじいちゃんと、孫娘の「あたし」が出会う不思議な出来事が5つ。こういう不思議なお話は大好きです♪じいちゃんが犬のショコをずっと「しょうこ」と言ってるのが可笑しかった♪続編も今から読みます~♪2014/08/09
目玉おやじ
23
山では不思議で妖しい何かと擦れ違う瞬間がある。山人(やまんど)のじいちゃんが孫娘に語る不思議な話と、やがて孫娘自身が遭遇する不思議な出来事-。飄々としたじいちゃんと、不思議な事もごく普通に受け止める孫娘との交流に心が洗われる。何よりも瞼に浮かぶ情景が神秘的で美しい。恒川作品が好きな方なら、気に入って貰える世界観だと思う。小学校高学年向けの児童文学なれど侮りがたし。少し怖いが、何処か懐かしくて優しい…。さながら、現代風の民話と云った処か。良く出来た奇談だと思う。この作家さんの新刊がでたら是非読んでみたい。2010/05/14
花林糖
18
(図書館本)連作短編5話。読み始めはどうかな?と思っていたら想像以上に良かった。物語の雰囲気も良く、味のあるじいちゃんも◎。<竹姫/闇市/雨祭/幻獣/神域>(購入)2017/06/10
深青
18
山にまつわる不思議で怖い物語。深い山を渡り歩き、様々なものを見てきた「山人」のおじいちゃん。おじいちゃんに導かれて「あたし」も様々な山の姿に出会う。時に美しく時に怖い。でも、そんな山だからこそ魅了されるのかも知れませんね。雰囲気がとても素敵でした。続編もあるようなので、楽しみです。2015/06/02