内容説明
ひよどり越えの上で、義経は眼下の戦いを見ていた。生田の森の大手は、松明の動きからすると、源氏がたがくずれそうだ。鹿が二頭、ひよどり越えをくだっていった。霧がわいていた。「この霧はわれらに味方する!」と、義経は言った。「よいか、みなの者。馬どうしの腹をつけるようにして落とせ。馬はおたがいをかばいあう。馬に猿どもを乗せよ」。伝説を生んだ悲劇の武将。新しい源義経像が、あなたを魅了する。
著者等紹介
二階堂玲太[ニカイドウレイタ]
本名、小嶋房治。1943年神奈川県に生まれる。第34回池内祥三文学奨励賞受賞。日本文芸家協会会員・日本ペンクラブ会員・新鷹会会員
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