出版社内容情報
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――12か月のうちの〈12月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。
シリーズ全12巻。装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
佐藤春夫/岸田國士/ローズマリー・ティンパリー/日影丈吉/武田麟太郎/国木田独歩/石垣りん/マルセル・シュオッブ 他著
大濱甫 他訳
【編者紹介】
西崎憲
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
48
冬の始まりと一年の終わり。12月というとそんな相反する感覚を抱えた月だと思う。この月には大きなイベント、クリスマスと年の瀬があるが、本書にも前者をテーマにした話が多い印象。ただそれを大袈裟に書き立てるのではなく、その一断面、人生のふと過ぎる一日として描いている作品が多いように感じられた。その点クリスマスとは関係ないが、永井龍男「冬の日」はしみじみと心に残る一編。武田麟太郎「大凶の籤」もさりげなくて好き。それにしても読んでいると寒さを感じる話が多いので、風吹き荒れる夜に暖房の近くで本書を読む感覚は最高です。2025/12/16
くさてる
13
人気アンソロジーもとうとう12月。12月は作品の舞台になりやすいから間違いなく粒揃いだと思ってたらほんとに粒揃いでした。大好きなローズマリー・ティンパリーやサキが読めて嬉しかったけれど、初読のものも面白くて。このアンソロジーではこれまで読むことがなかった昭和の文豪の作品に唸らされることが多いのだけど、今回は永井龍男が白眉でした。これすごいなあと思ってたら、そのあとの太宰治「十二月八日」もすごかった。この味、他の誰に出せるのやら。おすすめです。2025/11/28
kibita
11
永井荷風『冬至』は澄んだ冬、佐藤春夫『われらが四季感』、四季のない穏やかな極楽はまっぴらだという芥川龍之介の言から始まる。お二人は今の日本の気候をどう感じられるだろうか。ウィットの効いたSF、ティンパリー「クリスマスの出会い』、切ない永井龍男『冬の日』、サキの幻想譚『セルノグラツの狼」、科学が専門家の専売特許になる前の、生活と地続きだった科学の空気を感じさせる寺田寅彦『藤の実』、開戦直後の妙に明るい主婦日記の太宰治等、「12月」という季節の輪郭をそれぞれまったく違う角度から照らしている作品群。2025/12/28
takakomama
5
小説、エッセイ、詩歌、海外の作家さんの作品も収録した、バラエティー豊かなアンソロジー。既読3編。12月はクリスマスが過ぎると年の瀬。クリスマスには不思議なことがあるかもしれません。「寒い寒い」と言いながら、バタバタしているうちに1年が終わってしまいます。 2025/12/28
もりはな
2
自分の誕生日に購入した本。ちょっと昔の12月の様子や、海外の不思議な話など。2025/12/27
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