出版社内容情報
時代も場所もまったく異なる文学作品たちをつなぐテーマは〈12か月〉――12か月のうちの〈10月〉をテーマに古今東西の小説・詩歌・随筆を集めたアンソロジー。四季をあじわい、あの作品といま同じ季節を生きるよろこびをつくる本。
シリーズ全12巻。装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)
片山廣子/三島由紀夫/サキ/小山清/宮沢賢治/稲垣足穂/日夏耿之介/アントン・チェーホフ 他著
松下裕 他訳
【編者紹介】
西崎憲
翻訳家、作家、アンソロジスト。訳書にコッパード『郵便局と蛇』、『ヘミングウェイ短篇集』、『青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集』など。著書に第十四回ファンタジーノベル大賞受賞作『世界の果ての庭』、『蕃東国年代記』『未知の鳥類がやってくるまで』『全ロック史』『本の幽霊』など。フラワーしげる名義で歌集『ビットとデシベル』『世界学校』。電子書籍や音楽のレーベル〈惑星と口笛〉主宰。音楽家でもある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
水蛇
1
フライト読書。ちょうどいいサイズのつもりが旅先の気候と合わなくてちょっとミスマッチだったかななんて思ってたけど、三島の「孔雀」で子どもみたいにはしゃいじゃった。孔雀、絶世の美少年、オブセッション、死によって完成する美と作者名を隠したとしても100人中100人がわかるレベルの三島由紀夫なんだもん。「××風」を無限生成するAIとのつきあいに心がおちつかないわたしにとってこういう"典型的"な作品はいまや新しい意味合いすら持ってる。そういう意味で5年後にまた読みたい。堀辰雄「十月」、小山清「落穂拾い」、片山廣子2025/10/11