内容説明
四大元素、探検博物学、自動人形、動物磁気、ホムンクルス。近代ドイツ語文学において「科学」的事物はいかに探求され、作品に胚胎したか。動乱する19世紀初頭の自然科学的文脈を辿りつつ、ノヴァーリス、ホフマンらロマン派の小説、ゲーテ、シラーの諸作品、フンボルト、フォルスターら探検博物者の詩的テクストを紐解く。ドイツ語文学に新たな読みの歓びをもたらす無二の論考。
目次
第1章 精霊たち(精霊譚の復活;地の精;水の精;火の精;風の精)
第2章 探検博物学(一八世紀後半の世界周航;ゲオルク・フォルスター;アレクサンダー・フォン・フンボルト;アーデルベルト・フォン・シャミッソー;ユリウス・エドゥアルト・イッツィヒ)
第3章 自然という不可思議(幽霊;カリオストロ伯爵;メスメリスム;人形;人間を造る夢)
著者等紹介
時田郁子[トキタユウコ]
東京大学人文社会系研究科博士課程修了、博士(文学)。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科准教授。近代ドイツ語圏の文学・文化・思想を研究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かふ
16
ナチス以前のドイツの自然神と伝説。都市化によって自然を求めるのは同じか。四大元素。水、土、火、風。この辺から詩が生まれるのはよくわかる。水は浄化された水を求める。それが女性性の象徴とのなるのかもしれない。土はドイツには海がないので、やがて海外に植民を求める。そして探検家の博物学。それはイギリスの帝国主義から学ぶ。日本人もイギリスに学びドイツと同じ道を辿る。そのへんは似ているのかもしれない。火は火薬とか錬金術関係でこのへんから怪しい科学が流行る。オウム的なものか?風は流行か?空の夢。2025/09/17
Go Extreme
1
精霊と自然観: 精霊 地・水・火・風の精霊 自然との調和 元素擬人化 文化的意義 自然精霊信仰 文学と象徴性: ノヴァーリス ゲーテ ホフマン ハイネ フケー 表象 物語構造 魂の獲得 自然表象 科学と博物学: 探検博物学 自然史 標本収集 分類学 実証的手法 環境保護 知識体系 地磁気観測 生物多様性 詩人と時代背景: サロン文化 ベルリン知識層 ユダヤ人女性 詩人の役割 近代自然観 啓蒙主義 迷信と理性 物語: ウンディーネ フルトプラント キューレボルン 白い男 魂 愛と苦悩 人間と精霊2025/03/25