内容説明
1920~30年代のアメリカで、インポテンツに悩む男性にヤギの睾丸を移植する治療を手がけた偽医師、ジョン・ブリンクリー。新興メディアのラジオに着目し、天才的なマーケティングで騙されやすい大衆に怪しい治療法を売り込み、一躍時代の寵児となる。全米有数のメディア王となった彼は、天敵・米国医師会との対決を経て、ついに政界へと挑戦する。「最も危険な詐欺師」の驚くべき人生とアメリカの社会を、コミカルかつ警告的に描くノンフィクション。
著者等紹介
ブロック,ポープ[ブロック,ポープ] [Brock,Pope]
米ジョージア州・アトランタ出身。作家
杉田七重[スギタナナエ]
東京都生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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田中峰和
6
ユーモア小説と思って読んでいたが、実在の人物の話。1900年代初頭の医療レベルが低いとしても、ヤギの睾丸を人体に移植するなど信じられない。主人公のブリンクリーは、偽医者でしかも重婚までしているが、スペイン風邪の罹患者の治癒には貢献して評判を得ていた。精力の衰えた農民に相談され、冗談でヤギの精巣腺があれば改善すると言ったら、患者がその手術を試みるよう頼んだ。プラセボ効果としか思えないが、その後も何人かは改善したといい、ラジオ出演によってさらに名声を得る。PRのうまさがトランプに例えられたこともあるとのこと。2025/04/18
金吾庄左ェ門
1
『トイレット博士』に犬の肛門を移植させる話がありますが、そんなバカな話を実際にやってしまったのがこの話です。当時の医療水準でよくやったなと思いますが、この頃は医師免許がなくても問題ないらしく、医療ミスも刑事責任を問えない時代。おまけにブリンクリー以外にも似たような事をしている(読めば絶対バカじゃないかと思う)人すらいたのです。刑務所行きを免れたのは奇跡ではないでしょうか?あと登場人物の一人、リッドストンの書いた本が和訳されないでしょうか?2025/04/25