内容説明
ナチスに対するレジスタンスに参加し、ゲットー内外で戦った何十人もの無名の若いユダヤ人女性たち。戦争への怒り、そして女性たちの誇りと友情を描く感動のノンフィクション。ニューヨークタイムズ・ベストセラー1位。全米ユダヤ人図書賞受賞。世界25か国で翻訳出版!
目次
第一部 ゲットーの娘たち(ポーリン 一九二四年十月;火から火へ 一九三九年九月 ほか)
第二部 悪魔か女神か(準備 一九四三年二月;運び屋の女性たち 一九四三年五月 ほか)
第三部 どんな国境をも越えていく(隠れ家からその先へ 一九四三年八月;ゲシュタポのネット 一九四三年八月 ほか)
第四部 精神的遺産(生きることの恐怖 一九四四年三月;忘れられた力 一九四五年)
著者等紹介
バタリオン,ジュディ[バタリオン,ジュディ] [Batalion,Judy]
カナダ・モントリオール出身。英語、フランス語、イディッシュ語、ヘブライ語を話す環境で育つ。ロンドン大学で美術史の博士号を取得。学芸員、劇作家、俳優などを経て作家になる
羽田詩津子[ハタシズコ]
翻訳家。ミステリーやホラーのほか、ノンフィクション作品も多数手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つちのこ
48
すさまじい生への記録を読むことができた。ナチス占領下のレジスタンスの活動は、ベラルーシでユダヤ人パルチザンを組織し1200人もの同胞の命を救ったビエルスキ・ブラザ-ズの活動が有名だが、本書の内容はさらにその上を行く。ワルシャワゲットーのユダヤ人蜂起の裏側には、アーリア人やポーランド人になりすましてゲットーからゲットーへと情報や武器といったさまざまなものを運ぶ勇敢な娘たちの姿があり、武器を持ってナチスと闘った不屈の女性闘士たちがいた。ホロコーストの事実を伝える多くが、ユダヤ人が従順な子羊のようにガス室に⇒2025/03/12
リュウジ
9
★4知らなかった。ナチの暴力を前にユダヤ人たちは無抵抗なまま死んでいったと思っていた。この本には一矢報いる程度の抵抗に命を懸けた多くのユダヤ人女性たちがいた。彼女たちを支えたのはナチへのむき出しの憎しみと日本人には理解しがたいユダヤ民族主義だった。一方でナチに手を貸すユダヤ人もいた。それもまた、自分や家族が生き残るための選択(あの時代の生きる目的)でもあったんだろうな。それは人間の正直さであり恐ろしさ…なんだな。あれから約80年。今、ゲットーの娘たちがいれば、イスラエルのガザへの行為はどう思うんだろうか。2025/05/18
トト
2
第二次世界大戦のポーランドにて、ナチスに抵抗したユダヤ人女性たちの足跡を辿ったドラマチックなノンフィクション小説。ゲットー(ユダヤ人強制収容所)のレジスタンス活動から武装蜂起、逮捕、刑務所収監から逃亡まで、中心として書かれるのは「運び屋」と呼ばれる女性たち。彼女たちは、出版物、食料、武器、人をも運ぶ。別の人種、別人になりすまし、違う言葉を使い、時にはたぶらかし、作戦を遂行する。まさにスパイ小説のようにハラハラドキドキ。しかし実在した人物で、写真も存在。生き延びた人もいれば、殺された人も多い。想像以上です。2025/02/10
ミネチュ
1
ナチスがユダヤ人を迫害されていた時代、ユダヤ人による激しいレジスタンス活動があったそうです。それ自体はよく知られているみたいですが(私は知らなかった)、レジスタンス活動で女性が従ではなく主となって活動していた例は今まで明らかになっていなかったそうです。本書はそこに光を当ててノンフィクションを書かれたものです。 良い本でしたが、名前が難しくて覚えられず、人間関係がわからなくなって大変でした。 もう一回読まないといけない、もう一回読めばよくわかりそう、と思いました。 2025/05/11
amanatsu
0
ひとつの民族を殲滅しようなんて、酷い犯罪だと改めて本書を読んで思ったが、ヨーロッパの中でのユダヤ人の立ち位置とか、ひとつの国に幾つかの民族が暮らしていることとか、国々が陸続きであることとか、日本と比べて遥かに複雑なんだなと感じた。下水道の中に長時間潜んだり、激しい拷問を受けたりと、読むのが辛いシーン満載。でも、「もう終わりだ」と死を覚悟した一瞬でも、絶望的と思われた事態の中でも、最後まで諦めてはいけない、希望を捨ててはならないんだと言うことが良く分かった。2025/04/09
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