出版社内容情報
映画産業で財を成したニューヨークの老富豪ティモシー・グレイディは美貌の人気女優ローズ・ドーンを見初め、強引に婚約した。母のたっての願いで愛のない2度目の結婚を承諾したローズ。だが彼女だけでなく、老富豪の身辺では財産狙いや嫉妬や遺恨を孕む一癖も二癖もある者たちが跳梁跋扈し……疑心暗鬼の渦中でついに殺人事件が勃発する!
過剰なまでの複雑さと変則性に溢れた挑戦的・実験的な大群像劇ミステリ。
鬼才J・T・ロジャーズの真髄を知るために不可欠な、作者20代での処女長篇にして最長尺の力作。
【著者紹介】
Joel Townsley Rogers(1896-1984)
アメリカの大衆小説家。ミズーリ州に生まれ、87歳で歿。ハーヴァード大学に学んだ秀才として知られる。大学卒業後海軍航空隊に2年間入隊し、除隊後各種パルプ雑誌に数多くの作品を発表、晩年まで作家活動を続けた。作品分野はミステリ、サスペンス、ホラー、SFなど多岐にわたり、軍でのパイロット経験を活かして航空冒険小説も手掛けた。最も有名な小説は1945年の長篇ミステリ『赤い右手』で、英語圏でこんにちまで版を重ねると同時に日本を含む諸外国で翻訳され、1951年にはフランス推理小説大賞を受賞した。他の長篇に『赤い月の夜に』(23)、『骰を振る女神』(46)、『止まった時計』(58)がある。
【訳者紹介】
夏来健次
英米小説翻訳者。訳書にジョエル・タウンズリー・ロジャーズ『赤い右手』『恐ろしく奇妙な夜――ロジャーズ中短編傑作集』『止まった時計』『骰を振る女神』、ジョージ・W・M・レノルズ『人狼ヴァグナー』(以上国書刊行会)、C・ディケンズ他『英国クリスマス幽霊譚傑作集』、W・コリンズ他『ロンドン幽霊譚傑作集』、ドイル、ラング他『英国幽霊屋敷譚傑作集』(以上創元推理文庫)、G・G・バイロン他『吸血鬼ラスヴァン』(東京創元社、共編訳)他。



