内容説明
明治初めに誕生し、大正に一大ブームを迎えるメダル。賞牌、勲章、記章、コインの類義語としてこれまであいまいにされてきた存在を、約280点のメダルにより、日本の近代化とともに歩んだ歴史と美術的価値を与えて詳らかにする、初のメダル集成。
目次
Prologue メダルとは何か
1 メダル事始
2 活用されゆくメダル
3 メダルブームの到来
4 彫刻家とメダル
5 戦争とメダル
Epilogue ふたたびメダルとは何か
著者等紹介
藤井明[フジイアキラ]
1968年石川県生まれ。青山学院大学大学院文学研究科史学専攻修了。近現代彫刻専門。小平市平櫛田中彫刻美術館学芸員として、『佐藤朝山展』『仏像インスピレーション』『メダルの魅力』(東大比較文學会CatalToオリンピック文化プログラム賞受賞)などを企画。千葉県美術館資料審査委員会(彫塑部門)委員のほか、武蔵野美術大学と放送大学で非常勤講師もつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hitotak
7
メダルといえば勲章やスポーツ大会で授与・配布されるものというイメージだが、戦前はメダルブームがあり、社屋の新築、児童向け雑誌の懸賞企画、お菓子のおまけなど、様々な機会にメダルが作られていた。彫刻家が制作したメダル、オリンピックメダルなど様々なものが紹介されているが、初めて日本にメダルが紹介された幕末から戦後にかけてのメダルの歴史が詳しく書かれていて興味深かった。メダルと軍隊、戦争は強い結び付きがあり、国家権力が強く名誉を重んじる時代にはメダルの威力は大きく、非常に価値のあるものだったことがわかる。2025/03/16