感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
18
前から読みたかった本なので、復刊は嬉しい限り。今となっては否定された部分もあろうが、ナポレオンの軍事行動を一通り知りたければ、やはり読んでおくべき金字塔だろう。指揮系統の統一、戦力の集中、素早い行軍と将軍ナポレオンを特徴付ける部分をしっかり学べる。面白いのは著者をしてナポレオンは軍事の革新者ではなく、むしろ既存の軍事技術を極限まで高めた「完成者」であるというところ。テュレンヌやフリードリヒ大王ら先賢から学び、グリホーバルやカルノーら先人が築いた軍を率いて戦った。稀代の英雄も時代の突然変異ではないのだ。2025/03/02
TI
5
伝記というより本当に戦記(題名が戦記なんだから当然といえば当然だけども)。地図もついているんだけども馴染みのない地名と軍の配置の地図でよくわからなかった。 ナポレオンは24歳で將軍、27歳でフランス軍総司令官になっているとは驚き。時代が王政後の不穏の時代としてもすごい。2025/05/19
鏡裕之
2
比べる対象がよくないのだけど、『日本カルチャー史』の差を感じてしまった。両者ともに縷述、つまり細々と細かく記してあるのだけれど、本書の場合は向かうところ、狙うところがハッキリしていて、ブレていない。さすが名著。2024/10/12
タカバル
0
ナポレオン戦争に関してこれだけ体系的・網羅的に書かれた本はないと思われる。ナポレオンはもちろん、彼と共に戦った元帥・将軍・兵士の物語は一種の作品のようにも感じられた。この名著が日本語で読めたことに感謝したい。2024/11/20