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内容説明
神秘主義的なキリスト教と土俗的な民間信仰、背徳的な罪咎の宴―高貴な輝きと隠遁の雰囲気を湛えた昏い廃園は、夢うつつに微睡みながら、訪れる客人を待ちわびる。スペインを代表する作家バリェ=インクランのエッセンスを凝縮した、芳醇なる1冊。爛熟の世紀末文学。
著者等紹介
デル・バリェ=インクラン,ラモン[デルバリェインクラン,ラモン] [del Valle‐Incl´an,Ram´on]
1866年ポンテベドラ生まれ。一九世紀末から二〇世紀初頭のスペイン文学を代表する作家、小説家、劇作家、詩人。1902年から1905年にかけて発表された小説『ソナタ』四部作により作家的地位を築き、モデルニスモやフランス象徴主義の影響を受けた作品を多く発表した。マドリッドのバリェ=インクラン劇場、2006年創設のバリェ=インクラン演劇賞は彼の名に因む。スペインのいわゆる「98年世代」に属する作家で、世紀末趣味に満ち、芸術のための芸術を指向する作品を多く残した。奇抜な風体と奇行で知られ、背徳的な冨や勇、恐怖といったテーマ、色彩に富み、独持のリズムを持った文体、そしてブラック、時にナンセンスに近づくユーモアで、独特の世界を創り上げている。1936年サンティアゴ・デ・コンポステーラで逝去
花方寿行[ハナガタカズユキ]
静岡大学人文社会科学部教授。専門は比較文学文化、スペイン・ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
67
読んでいるとかつて栄えた修道院、その廃屋を彷徨っているような気持ちにさせられる。かつて絢爛な装飾を誇っていた建築も今は蔦に覆われ…。スペインの世紀末文学をまとめた短編集。どの作品をとってもスペインの土俗と昏いカトリシズムがその底に沈んで、鬱金色の輝きを放っているような作品ばかりで得も言われぬ読み心地に。といって陰鬱な話ばかりではなく、冒頭の「ファン・キント」は坊さんに窘められた盗賊が改心すると思いきや帰りに商人殺してるし、「頭目」は一種のイニシエーションとして読めるし。昏いスペインの一面を体験できました。2023/08/17
ふゆきち
2
19世紀かそれ以前っぽい雰囲気。時折挟まれる戯曲も良い。2024/09/22
sugsyu
1
敬神と呪術、粗野と高潔が絶妙に同居する、土俗的カトリシズムの世界。2023/06/30
桧山
0
期待してたんだが、ちょっと内容が薄かった。同時に読んでたのがガルシア・マルケスのエレンディラだったので自然と比較しちゃったのもよくなかった。読むの途中でやめました。2024/10/05
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