ドーキングの戦い―ある英国篤志隊員の回想録

個数:
電子版価格
¥2,534
  • 電子版あり

ドーキングの戦い―ある英国篤志隊員の回想録

  • ウェブストアに2冊在庫がございます。(2025年06月05日 02時37分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 46判/ページ数 200p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784336075062
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

出版社内容情報

H・G・ウェルズの『宇宙戦争』は、世の人々に大混乱を巻き起こしたオーソン・ウェルズのラジオドラマ「火星人襲来」や、スティーブン・スピルバーグの映画でも知られる名作。
この作品の「ネタ元」になった小説、もっと言えば、一大ジャンルとして日本でも根強いファンのいる「架空戦記」の元祖と呼ぶべき作品がある。それがこの1871年に書かれた『ドーキングの戦い』である。
作者はジョージ・チェスニー、英国陸軍神学校からキャリアをスタートして最終的に大将にまで上り詰めた筋金入りの軍人。普仏戦争後のプロイセンの破竹の勢いに、英国滅亡の危機感を覚え、ジャーナリズムだけでは世論に危機感を印象付けられないことがきっかけにこの作品を書き上げ、のちに続く「侵攻小説」というジャンル、やがてそこからさらに派生する「架空戦記」のジャンルの元祖となった。

●内容敗戦から50年後。ある名もなき退役軍人が、かつて自身が従軍していた、英国が「敵国」に侵略された日々のことを、後悔とともに孫たちに語る。ある時、敵国が開発した特殊兵器「致死機関(フェータル・エンジン)」によって英国海軍は壊滅に追い込まれたことで、防衛戦争に動員された語り手は、軍務経験の浅い将校が率いる、民兵を含んだ練度不足の軍隊に所属し、戦線に向けて、右往左往しながら進んでいく。
やがてサリー州ドーキングに到着すると、両軍は全面的に激突。イギリス軍は壊滅し、生存者は散り散りになった。敗戦後、イギリスは多額の賠償金を課され、国家は困窮。大英帝国の栄光は永久に崩れ去った――語り手は孫たちに、「この話は、お前たちが新天地で生きていくための教訓にしてほしい」と語る。
チェスニー自身が、戦争を、そして軍隊という組織を知り尽くした軍人畑の人物であることから、極めてリアルに、軍隊の生態が描かれている。
荷馬車と荷車の数の不一致という理由で物流が滞ったり、連弩の低い兵士たちが町に着くと途端に身勝手に行動して制御が取れなくなったり、敵軍の静かな様子を楽観視した結果、急襲を受けてボロボロに軍隊が敗走していったり……そういった、「敗戦国の軍隊」の様子がきわめて生々しく、いわば小説版『失敗の本質』のような読み心地と言うべきところがあります。
語り手の孫たちが教訓を得るように、我々もなにかしらの教訓を、そこから得られることができるかもしれない。佐藤大輔の著作『レッドサン ブラッククロス』シリーズでも本作は紹介されており、ミリタリーファンからライトノベル読者まで、幅広く層が厚い架空戦記ファンにとって、《元祖・架空戦記》として、また文学史上の重要な作品としても必携の一冊。
現在、世界の不安定な情勢にも通じる内容で、そうした観点からも、まさに今こそ紹介に値する作品である。


【著者紹介】
ジョージ・チェスニー

イギリス陸軍の将軍、政治家、フィクションの作家。小説 『ドーキングの戦い』(1871年)は「架空戦記」ジャンルの元祖として世界中で読み継がれている。


【訳者紹介】
深町悟

1980年福岡県生まれ。神戸大学国際文化学研究科専任講師。二十世紀転換期の侵攻小説などを研究。著書に『「侵攻小説」というプロパガンダ装置の誕生』(渓水社)、訳書にサキ『ウィリアムが来た時 ホーエンツォレルン家に支配されたロンドンの物語』(国書刊行会)。

内容説明

19世紀の英国社会を揺るがした国家滅亡の物語。1871年、一人の英国軍人が描いた祖国崩壊の未来予測。侵略の悪夢と平和の儚さを突きつけたヴィクトリア朝の衝撃ベストセラー、待望の翻訳!『宇宙戦争』(H.G.ウェルズ)を生んだ元祖・架空戦記!「あの悲劇は容易に防げたはずだった。ああ、すべてが遅すぎたのだ!」ヨーロッパで勢力を拡大する隣国の大軍が、ついに英国本土へ侵攻。英国軍は兵士をかき集め決死の抵抗を試みるも、敵軍の猛攻に崩壊していく。静かな田園地帯ドーキングは、祖国の命運を賭けた決戦の地と化した―。50年後、生き残った兵士が孫たちに語る、祖国崩壊の回想録。未来を託す者たちに伝えたい「敗戦の真実」とは?―

著者等紹介

深町悟[フカマチサトル]
1980年福岡生まれ。神戸大学国際文化学研究科専任講師。二十世紀転換期の侵攻小説などを研究

チェスニー,ジョージ・トムキンズ[チェスニー,ジョージトムキンズ] [Chesney,George Tomkyns]
1830年にイングランドのデヴォン州ティバートンで生まれる。軍人家系に育ち、東インド会社軍事神学校を卒業後、ベンガル工兵隊に入隊。インドでは公共事業の発展や土木工学大学の設立に尽力するなど、指導的な役割を果たした。軍の効率化に関する論文や本も執筆し、1871年に小説『ドーキングの戦い』を発表。その後もイギリス軍の近代化を訴え続け、後の軍事戦略や防衛政策に大きな影響を与えた。晩年は政治家としても活動し、1895年に65歳で没した。最終階級は陸軍大将(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

最近チェックした商品