出版社内容情報
光、狂気、偶然、黙示録、ファム・ファタール――言語空間に息づく広大な座標系古来よりいかなる主題が物語を駆動し、その伝統はいかに新しく変奏されてきたのか。
160余の文学テーマ・モチーフを扱い、およそ1,800の作家、3,500の文学作品を例示しながら、その機能、特徴、歴史的変遷を詳説する。研究と創作のための必携書。
〈テーマとモチーフは文学作品の基礎である。その位置や配置、相関関係、反復と変奏が広大な座標系を作りあげる。[……] 国も違えば、活動した時代も大きく異なる作家たちが、テーマとなった典型的人物やその人物たちの成長段階、かれらの人生の節目に割りあてられた出来事、そしてモチーフやモチーフセットをとりあげ、掘り下げ、新たに組み上げてきた。[……] [その過程で] 作家は意識的にも無意識的にも、社会習慣となった伝達方法や思考様式を受けつぎ、文学の伝統との対話を構築する。〉
(序文より)
装丁:山田英春
【著者紹介】
ホルスト・S・デムリヒ
1930年-2021年。ドイツ東部・ザクセン州パウザ生まれ。ドイツ文学・比較文学研究者。1947年にソビエト支配を逃れて西ドイツに逃亡。1953年に米国に渡り、シカゴ大学でドイツ文学の博士号を得た。デトロイトのウェイン州立大学、フィラデルフィアのペンシルバニア大学で比較文学・ドイツ文学を講じた。妻のイングリッドと共に、主題研究で多くの論文ならびに著書を執筆し、中でも『西洋文学テーマ・モチーフ事典』は世界の多くの学生によって読まれている。
イングリッド・G・デムリヒ
1936年-2018年。米国・ニューヨーク州オールバニ生まれ、ドイツ系アメリカ人。テーマ研究・比較文学研究者。1970年にウェイン州立大学でフランス文学の博士号を取得し、フィラデルフィアのドレクセル大学で30年間教鞭をとった。夫のホルストと同様、主題研究で多くの論文ならびに著書を共同執筆した。