押川春浪幽霊小説集

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押川春浪幽霊小説集

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  • サイズ 46判/ページ数 352p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784336074409
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

本書は、明治時代に冒険小説というジャンルの先駆者として活躍し、日本SFの祖とされた押川春浪の作品から、とくに幽霊を題材にしたものを集めた。本書に収めた作品は「万国幽霊怪話」「幽霊旅館」「黄金の腕輪」「南極の怪事」「幽霊小家」の5篇。西洋趣味と怪奇趣味が散りばめられたキッチュな味わいに明治文化の一面をみることができる。巻末に押川春浪関係年譜を付す。

著者等紹介

押川春浪[オシカワシュンロウ]
1876年(明治9)愛媛県松山市に生まれる。本名方存。日本キリスト教界の元老押川方義の長男。東京専門学校(早稲田大学の前身)在学中の1900年(明治33)に、冒険科学小説『海底軍艦』(文武堂)を発表。冒険小説界のスターとなり、数多くの傑作を残し、日本SFの祖と称される。また、雑誌『冒険世界』や『武侠世界』の主筆を務め、後進の作家や画家の育成に尽力。スポーツ社交団体「天狗倶楽部」を結成するなど、スポーツ振興活動を行う。過度の飲酒により、1914年(大正3)に38歳の若さで永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

61
明治の冒険小説家の海外幽霊譚を収録した一冊。怖いというよりは珍しいという話が多く、明治の人々が持っていた舶来への興味が伺える。どこか牧逸馬や橘外男の海外奇譚も思わせられるし、昔の海外というのは小説家が己の想像力を存分に働かせられる場だったんだなあ。「梢の三尺帯の始末」は江戸の「死神」を、「米国の鉄道怪談」は明治に頻発した狸と列車の話だし、元ネタがあっても料理法によってこう変わるのか。後半の創作は著者の本領だし。今の様に情報によって地続きではなく、遥かに遠い地であった「外国」というのを堪能できた一冊でした。2024/05/13

たいぱぱ

55
木内昇さんの『球道恋々』に登場しジャイアン的ガキ大将キャラで僕の記憶に刻まれた明治時代の編集者、作家の押川春浪。どんな作品を書いたのだろうも気になっていたら地元図書館でこの作品に第三種接近遭遇。読み難い古風な文章(不思議とすぐに慣れるのですが)で内容は小学校の時に読んでた「学研怪奇ミステリー」を思い出すような感じ…。今の僕には懐かしさを込めた「ふーん」という感じでしたが、明治の子供たちには小学生の僕みたいにやや逆上気味に興奮する内容だったでしょうね〜。2024/07/23

timeturner

5
明治の冒険小説作家で日本SFの始と呼ばれる押川春浪の外国を舞台にした幽霊譚集。英米の怪奇小説を自分流にアレンジしたのか、すっきりした結末になっていて読みやすい。軽妙かつ滑稽な文体なので幽霊話なのに笑いながら読んだ。こういう邪気のないものはいいなあ。2023/04/04

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