出版社内容情報
「俺はファントマだよ、陛下!」フランス史上最大の怪人。元祖黒マスクの怪人──バットマンも、怪人二十面相も、源流はファントマにあり!
ジューヴ警部とファントマの因縁の対決。愛人殺し容疑の王の身代わりに幽閉された、新聞記者ファンドールの危機一髪!久生十蘭が換骨奪胎し『魔都』を生んだ怪作。ダークヒーロー犯罪小説。
コンコルド広場の噴水のニンフ像が夜な夜な歌をうたう──大晦日、新聞記者ファンドールはお忍びでパリにやってきたヘッセ=ヴァイマル王国の王と意気投合。ところが王の愛妾死亡事件に巻き込まれ、ひょんなことから王の身代わりを演じるはめに。相棒の敏腕警部ジューヴはファンドールを救いだすべく奔走! これもファントマ? あれもファントマ! 怪人の狙いはいかに?
パリを縦横無尽に追跡する、めくるめく死闘のスペクタクル。元祖黒マスクの怪人ファントマ。
今なおフランスで絶大なる人気を誇り、映画にもなり絵にも描かれ、おびただしいフォロワーを生んだ悪のアイコンは、コクトーに、マグリットに、ブルトンに、横尾忠則に愛された。
犯罪大活劇のファントマ・シリーズ全32巻より、もっともファントマらしいと謳われるうちの一冊を本邦初訳。
ジゴマ、シェリ=ビビ、そしてこのファントマで、ついに完結を迎える〈ベル・エポック怪人叢書〉の第3回配本。
【著者紹介】
ピエール・スヴェストル
Pierre Souvestre
1874-1914フランスのジャーナリスト、小説家。ブルターニュ地方フィニステール県プロムラン生まれ。元知事の息子として幼少時よりパリで育つ。弁護士資格をもつが文筆業に忙しく、自動車およびモータースポーツのジャーナリスト、実業家として活躍。そしてなにより、秘書のアランと共作したファントマ・シリーズで名を馳せる。1914年に早逝、享年39。
【著者紹介】
マルセル・アラン
Marcel Allain
1885-1969フランスのジャーナリスト、小説家。パリ生まれ。弁護士の息子として法曹界を志すがジャーナリストに転じる。スヴェストルの秘書及びゴーストライターとなり、のちにスヴェストルとファントマ・シリーズ全32巻を手がける。スヴェストル没後も11作を書き継いだ。著作は400作を超える。