内容説明
いまから二十年か三十年か四十年くらいまえ、ぼくがまだほんの子供だったときのこと、小さな田舎町に住んでいたぼくはミセス・ニュージェントにやったことが原因で町のやつらに追われていた。1960年代初頭のアイルランド、飲んだくれの父と精神不安定な母のもとで、フランシー・ブレイディーは親友のジョーと共に愉快な日々を送っていた。そう、ミセス・ニュージェントから「あんたらはブタよ!」という言葉を浴びるまでは…あらゆる不幸に見舞われて、やがて“肉屋の小僧”となったフランシーが狂気と妄想と絶望の果てに見い出したものとは何か?この世の美しいものなんてどれもこれもすべて嘘なんだ。センセーショナルな内容ゆえに物議を醸し、アイルランド版“ライ麦畑でつかまえて”+“時計じかけのオレンジ”と称され映画化もされた伝説の問題作がついに邦訳。ブッカー賞最終候補、エア・リンガス文学賞受賞。
著者等紹介
マッケイブ,パトリック[マッケイブ,パトリック] [McCabe,Patrick]
1955年アイルランド・モナハン州生まれ。ダブリンの聖パトリック教員養成学校卒業後、教師となる。92年『ブッチャー・ボーイ』がブッカー賞最終候補に入り、各国で翻訳されベストセラーとなり、映画化もされた(ニール・ジョーダン監督)。Breakfast on Pluto(1998)もブッカー賞最終候補で、ふたたびニール・ジョーダン監督によって映画化された(邦題『プルートで朝食を』)。以後も作品を次々と発表している
矢口誠[ヤグチマコト]
1962年生まれ。慶應義塾大学国文科卒。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。