内容説明
写真に何ができるか。新たな芸術表現の摸索から生まれた絵画主義や超現実主義の写真、現実を透徹した眼差しで切り取ったリアリズム写真、そして公害や戦争を告発し、社会変革への意志を胚胎しながら学生運動と連動してゆく闘争的写真群―全国的にも有数の「写真都市」であった名古屋を中心に「運動」をキーワードとして写真というメディアの無限の可能性を探る一書。
目次
1 写真芸術のはじめ―日高長太郎と“愛友写真倶楽部”
2 モダン都市の位相―「新興写真」の台頭と実験
3 シュルレアリスムか、アブストラクトか―「前衛写真」の興隆と分裂
4 客観と主観の交錯―戦後のリアリズムと主観主義写真の対抗
5 東松照明登場―リアリズムを超えて
6 “中部学生写真連盟”―集団と個人、写真を巡る青春の摸索
著者等紹介
竹葉丈[タケバジョウ]
1961年生まれ。名古屋市美術館学芸員。現代美術、写真(史)に関する調査、展覧会企画に携わる。2018年、展覧会「異郷のモダニズム―満洲写真全史」ならびに同展図録出版(2017年、国書刊行会)により、日本写真協会学芸賞、第30回写真の会特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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