感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りー
24
詩的というか、観念的というか、綺想の断片をパッチワークの様に繋ぎ合わせた曰く形容し難い小説だった。一度通しで読み通して、その後気の向いたときに開いたページを読む様な楽しみ方が僕にとっては一番心地よい。なお、装丁がなかなか凝っていて良い。2021/02/11
rosetta
20
???🤔🤔とりあえず開いて見て思ったのは大活字本かよ(笑) ストーリーというものはほとんどない、散文詩とも呼ぶ気になれない、印象の羅列。自分にとって何にも残らない本だったけど何となく気持ちよくなった。温泉の後で按摩された様な(*´艸`) 高野文子の『絶対安全剃刀』を連想した。←褒めすぎ?2021/04/22
田氏
15
意味が脱臼して、時間がだらりと伸び切ってたるみ、景色は鉛色、顔は一人を除いてみな塗りつぶされている。文字は大きく、希望は小さく、魂は重くなって沖に沈む。そんな島に人々は囚われているが、囚人だったのかは看守が来るまでわからない。妻は水上二足歩行で見えない向こう岸を目指す。とまあ、要約しようとしたらこのザマなので、どんな小節かは察してほしい。ただ、もしこっち側とあっち側の境目を無理やり押し広げたら、たぶんこんな文章が流れ出てくるんだと思う。そんなものが書かれてしまったら、国書刊行会が出てくるのもむべなるかな。2021/07/27
ふるい
9
詩のような、小説のような…。許し許されることは、どこか黄昏に似ているかもしれない。曖昧さ、妥協を受け入れて生きていくことに。猫や爬虫類に生まれ変わりながら、いつまでも許しを待ちつづける奇妙な人(?)々が愛おしい。"猫を噛むのは本当にいい気持ちだ。"(p63)、"蛇口をひねると、カッパのようなものが二、三匹ポタポタと落ちてきた。"(p134)といった、突拍子もない書き出しが好きだ。2020/12/31
毒モナカジャンボ
0
本来出会わないはずの言葉が、鏡の向こうから飛び出してこちらの言葉と交わる時、新しい運命が世界に書き加えられることになる。2021/05/04