内容説明
エメラインは25歳、兄ヘンリーがセシリアと結婚して1年足らずで他界した機縁から、義姉セシリアとロンドンにあるフラットを共有し暮らしている。優雅で怠惰な未亡人のセシリア、マイカーを持ち旅行会社を営む20世紀のキャリアウーマンのエメライン。セシリアはイタリアから帰る急行列車の車中で、法廷弁護士マーキーと知り合う。世慣れたマーキーはまもなくエメラインに接近し、飛行機でパリに遊ぶ仲に。セシリアは無難で裕福なジュリアンから求婚される…。結末のカタルシスは?
著者等紹介
ボウエン,エリザベス[ボウエン,エリザベス] [Bowen,Elizabeth]
1899‐1973。300年続いたアングロ‐アイリッシュの一族として、1899年アイルランド・ダブリンで生まれ、1973年ロンドンの病院で永眠した。二つの祖国を持ち、二度の世界戦争と戦後の廃墟を目撃し、10篇の小説と約100篇の短篇その他を遺した。ジェイムズ・ジョイスやヴァジニア・ウルフに並ぶ20世紀を代表する作家の一人。気配と示唆に富む文章は詩の曖昧性を意図したもの。最後の長篇『エヴァ・トラウト』はブッカー賞候補となった
太田良子[オオタリョウコ]
1939年東京生まれ、旧姓小山。東京女子大学卒、1962年受洗、1964年結婚、1971‐75年夫と長女とともにロンドン在住。1979年東京女子大学大学院修了、1981年東洋英和女学院短期大学英文科に奉職。1994‐95年ケンブリッジ大学訪問研究員、1998‐2009年東洋英和女学院大学国際社会学部教授。東洋英和女学院大学名誉教授、日本文藝家協会会員、エリザベス・ボウエン研究会代表、日本基督教団目白教会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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