内容説明
戦争の時代を駆け抜けた若き画家たちが追い求めたもの―。幻想的な細密描写で独自の画風を築いた靉光、病のため聴力を失いつつも結晶のような作品を紡いだ松本竣介。ともに早逝した二人を中心に、太平洋戦争期を生きた一群の画家の作品と、それらが織りなす時代の息吹をたどる。
目次
靉光(静物としての動物;画室からの風景―昭和十九年東京・小石川;靉光のシュルレアリスム;靉光“静物”(個人蔵)について―「宋元画風」作品の素地と展開)
松本竣介(迎えいれる絵画―松本竣介『画家の像』から『Y市の橋』まで;「茶房りゝおむ」をめぐる断章―松本竣介、北川實を中心に;一九三七年の松本竣介―未刊行の「日記」より)
恩地孝四郎
長谷川利行
川口軌外
福沢一郎
鳥海青児
山口長男
山路商
吉原治良
村井正誠
難波田龍起
長谷川三郎
井上長三郎
鶴岡政男
山口薫
北川實
吉井忠
森芳雄
糸園和三郎
寺田政明
船田玉樹
麻生三郎
桂ゆき
澤田哲郎
中野淳
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋津
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2020年5月に開催されるはずだった同名展覧会(広島市現代美術館)の図録。靉光及び松本竣介の二人を中心に、その周辺の人々(恩地孝四郎、長谷川利行ら24名)の作品とその解説がなされている。特に靉光作品に関心があり本書を手にしたが、戦争下という異常な状況下にあってモチーフを見つめ様々な手法で作品を生み出し続けた作家の一端に触れることができた。「このふたり(注:靉光、松本)ほど緻密な研究が進んだ昭和初期の洋画家は稀であろう。」とあるが、この作家及び作品の魅力と謎が限りなく、それが鑑賞者を惹き付けるのだろう。2020/07/17
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