内容説明
黒澤明はいかにして“世界のクロサワ”となったのか。欧米諸国からアジア各国など世界30か国で制作された、貴重な黒澤映画のポスター82点をオールカラーで集大成。各国のデザイナーや画家による、作品に沿った筆致や大胆で前衛的なポスターデザインとともに、“世界言語”としての黒澤映画を大観できるファン垂涎の1冊!収録ポスターの多くが国内初の書籍化!
目次
収録ポスター制作国
黒澤明略年譜
フィルモグラフィー
図版
論考(「言い切る」―ポスターに見る黒澤明の至芸(岡田秀則)
Kurosawa over America(槇田寿文))
ポスターリスト
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
61
黒澤明の海外ポスターだ。それぞれの国の特徴が現れていて面白い。「羅生門」のチェコスロバキアのポスターなど、何の映画か分からない。世界のクロサワも、「羅生門」の時はまだポスターに名前が書かれていない。「七人の侍」のスペインのポスターは、まるでウエスタンだ。各国のアーティストに刺激を与えた黒澤映画は、やはり凄いと思う。2020/08/25
らぱん
49
黒澤映画のポスターで世界30か国のもので84種。最多は「七人の侍」14点で次点は「羅生門」9点。その比較から各国のお国柄が窺える。種々多様で、昭和期の映画看板のようなものから、サイケデリック、斬新、モダン、映画の内容よりも日本のイメージを強く押し出したものもあり…。お気に入りはチェコスロバキアの「蜘蛛巣城」とポーランドの「用心棒」とキューバの「赤ひげ」。デザインが目を惹くが、多くはタイトルが日本語のままだと気がついた。ポスターから知る世界の黒澤明。彼の功績を再確認した。…ちょっと欲しくなった。2020/03/29
ぐうぐう
26
本書は2018年、国立映画アーカイブでの展覧会『没後20年 旅する黒澤明』で展示した、槙田寿文がコレクションする世界30ヵ国で制作された黒澤映画のポスターを紹介する。これが驚くほどバリエーションに富み、実に楽しい。西ドイツで1959年に作られた『羅生門』のポスターは、シンプルでありながらもモンタージュを連想させる構図が『羅生門』という映画の本質を見事に突いている。1952年のアメリカの『羅生門』ポスターには、三船敏郎をはじめとするキャストの名前が記載されているのに肝心の黒澤明の名がどこにもない。(つづく)2020/02/04
kaz
3
同じ映画のポスターでも、いろいろな視点があって面白い。中には東洋的なエッセンスを入れ込んであるものもあり、日本がどのように見られていたのかという参考にもなる。羅生門は、同じシーンで構図が左右逆になっているものもある。七人の侍は志村喬がトップだと思うが、やはり三船人気が強いようだ。 2020/04/04
Akira Tategami
1
https://twitter.com/LionGAOH/status/12400114349703823362020/03/18