内容説明
アーサー王の伝説の剣は、実はジャーケンの○○○○。幻想の異世界を巡る喜劇的冒険とロマンス、衒学趣味と奇想に彩られた伝説的珍品ファンタジイ、ついに刊行！
著者等紹介
キャベル，ジェイムズ・ブランチ［キャベル，ジェイムズブランチ］ ［Ｃａｂｅｌｌ，Ｊａｍｅｓ Ｂｒａｎｃｈ］
アメリカの作家、系図作製者。１８７９年ヴァージニア州リッチモンドの名家に生まれる。幼少時から神話・伝説・聖書を耽読し、大学卒業後、新聞記者を経て作家となる。１９２０年代は「キャベル時代」とも呼ばれるほど批評界から高い評価を獲得、同時代アメリカ文学を代表する作家と目された。１９５８年に死去。その後一時忘れられた作家となったが、１９７０年代にはリン・カーターやアーシュラ・Ｋ・ル＝グウィンらの再評価もあり、ＳＦ・ファンタジイ作家への広範な影響が指摘されている
中野善夫［ナカノヨシオ］
１９６３年アメリカ合衆国テキサス州生まれ。立教大学理学研究科博士課程修了（理学博士）。英米幻想小説およびファンタジイ研究翻訳家（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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星落秋風五丈原
34
ははは何ですかこのキャッチは。同じ話を日本でやると近松門左衛門『好色一代男』中国なら『金瓶梅』になりそうなのに欧米ではオルフェウス(但し妻を連れ帰りたくない！）になるんですねぇ。欧米人どれだけアーサー王伝説好きなんだ！訳注31ページと地図まであるよ！ 2019/12/16
ふるい
15
かつて詩人であった質屋の四十男ジャーゲンは黒い紳士(悪魔?)の親切により自分を理解しない口うるさい妻リーサが行方知れずになってしまったため、渋々彼女を探す冒険の旅に出るが…。若返ったジャーゲンが神話や伝説上の美女と次々出会ったり成り行きで結婚したりを繰り返すドタバタロマンス…かと思いきやファンタジックな世界を渡り歩き美女と結ばれても心は晴れず、結末はなかなかほろ苦い。愛はどこまでも謎である。2019/11/30
たこい☆きよし
6
しがない質屋のジャーゲンが悪魔に隠された妻を探す旅に出てみると、いろいろなものに出会い、若がえり、さまざまな美女たちに愛されながら、地獄から天国まで遍歴を続ける。1918年に書かれたとのことだが、時間SF的な展開とか、登場人物が作者との関係を、被造物が造物主との関係を自覚するようなメタ構造とか、インフレーション宇宙を思わせるようなヴィジョンまで、驚きのアイデアがこれでもかと出てくる。それにしても、中盤から重要な？役割をする「呪文」（笑）。「呪文」最高（笑）。2019/11/29
H masa
5
悪魔の親切心（？）からいなくなった妻を（いやいやながら）探しに出かけた質屋のジャーゲン。行く先々で立ちふさがる冒険の数々！ではなく、いきあたりばったりのなんだかよくわからない女性遍歴と、よくわからない剣と魔法の日々。ムアコック的なマルチヴァースとも読めるし、口先で世渡りをする男のピカレスクとも読めないことはない。世界各地の宗教ネタが雑多に放り込まれている（仏教所まで出てくるのには驚いたが）謎の展開。そして「すべての旅は帰還である」（笑）と。2019/11/23
gibbelin
4
全18巻からなる壮大な幻想文学・・・ということでなんとなく誤解していたが、神話伝説の世界を舞台にした「東海道中膝栗毛」のようなユーモア小説。「頭に針金を生やしている女の～」みたいなセリフはいかにも落語の登場人物が言いそう。2020/06/01
