内容説明
第二次大戦後、先進の写真機材を世界に供給した「カメラ大国」日本において、その渡来時から表現と技術はいかに密接に関わってきたのか―写真家の作品とその背景にあるカメラ機材の歴史を、豊富な図版と多岐にわたるエピソードとともに振り返る、全く新しい形の日本写真史。
目次
1 写真黎明期―ダゲレオタイプから乾板まで(ダゲレオタイプカメラ;日本への写真伝来 ほか)
2 表現手段としてのカメラ―アマチュア写真から報道写真まで(福原信三とソホレフレックス・トロピカル;福原路草とソルントンレフレックス ほか)
3 カメラと写真家の繚乱時代―フィルム全盛期(木村伊兵衛とローライフレックス;林忠彦とライカ、ローライ ほか)
4 表現と機能の多様化―そしてデジタルへ(広田尚敬とニコンF、キヤノンF‐1;水谷章人とキヤノンF‐1 ほか)
5 私とカメラ―ターニング・ポイント(藤本四八―焼け跡の銀座で;笹本恒子―女性で初めての報道写真家として ほか)
感想・レビュー
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kinkin
77
日本のカメラ創世記から今日に至るまでのカメラ機材と写真家が紹介されている。取り上げられているのはほとんどがフィルムカメラ。懐かしい。しかし後を受け継いだデジタルカメラは現在スマホの普及で売上が落ちているという。大手のカメラメーカーも規模を縮小したり身売りしたりとカメラ愛好者にとっては寂しい限りだ。フィルムカメラは私の子供時代の写真は皆そうだその場では映るが確認できないだけに1枚1枚が貴重であり楽しみも今とは格段に違っていたと思う。図書館本2020/10/04
carrion_crow
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ダゲレオタイプ・ナダール・上野彦馬・下岡蓮杖から始まって森山大道・篠山紀信に至るまで、「日本の著名な写真家と、そのカメラ遍歴」という切り口でまとめられた、カメオタのための日本写真史。表紙の人物は名取洋之助。 写真史はともかくカメラ史については、たいがいの事は知っているつもりだったが(思い上がり!)GoPro の初代カメラとか初めて見る物も色々出てきて面白かった。2024/01/03