内容説明
偽薬は効く。なぜだろうと考えたとき、科学に依拠する現代医療の限界、現代人が不健康になる思考パターンに気づくことになる。科学の申し子が、科学の向こうを透視する超問題作。
目次
第1章 偽薬は効く
第2章 医療とプラセボ効果
第3章 プラセボ効果を解釈しよう
第4章 健康観のアップデート
第5章 効かない偽薬の価値
第6章 プラセボ製薬創業譚
第7章 プラセボ効果の総合的解釈
第8章 持続可能な社会を偽薬がつくる
著者等紹介
水口直樹[ミズグチナオキ]
1986年、滋賀県生まれ。プラセボ製薬株式会社代表取締役。2010年京都大学薬学部卒業。2012年同大学院薬学研究科修了。製薬会社に研究開発職として入社。2014年に退社独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kitten
6
図書館本。プラセボをプラセボとして売る会社の本。医療費削減の特効薬としてのプラセボを論じている。ただ、現在の科学では分かっていないことも多い。プラセボだとわかっていて飲んでも効果があるらしいけど、分かっていない方が暗示効果が高いんじゃないかと思う。その辺も研究中かな。第7章は非常に難解。一気に哲学論になる。プラセボを「複素効理論」で論じる。プラセボ効果は、言うなれば虚数iのようなものであり、現在の医学では認識できないが、存在している。複素数平面で理解する必要あり。何度も読まないとわからないな。2020/06/30
K
4
プラシーボ効果は聞いたことあるし効能はあると思っているけど、偽薬を売る会社とは面白い。世の中の医療費増加問題なんかの解決策になるかも!でも、俺がこの本を読むんでなく身近な人に読んでもらって俺に使ってほしい。いや、すでにひそかに使われているのかも…。2019/11/06
Kyohei Matsumoto
4
薬学を専門にしている人にとって必読書かと。この本の読みどころは3章と7章で、科学を基軸とした医療の限界と、その限界を説明しておくことによって誕生したプラセボ効果という言葉、その言葉を説明するために複素数使ってみてはどうかという提案がされている。今の医療は経済的に限界を迎えつつあり、その代替としてプラセボの使用はどうかということ。統合医療というのは、その裏にある公理を理解して使う必要があるというのは僕も感じていたが、それをこうすればよいのではとうまく説明してあるところが興味深い。2019/09/15
☆ツイテル☆
2
フライヤー2021/11/02
メチコ
2
筆者の熱はすごく感じる。 だけれども、エビデンスや倫理が重視される昨今の医療において、偽薬の価値を訴えることはとても難しいものだなと、全体を通して感じた(。-`ω-)2020/03/12