内容説明
アジアの回復と復興を目指した「興亜」思想が問いかけたものとは―東亜同文会会長近衞篤麿、東亜同文書院院長根津一、昭和10年代の首相近衞文麿、作家魯迅、中国国民党を率いた蒋介石、戦後「漢奸」として追及された汪精衛、大正末期の首相加藤高明、台湾農業近代化の先駆者藤根吉春、立命館大学創立者・台湾銀行頭取など多くの顔をもつ中川小十郎、「中国通」外交官石射猪太郎―。さまざまな分野で光芒を放つ人物10名の事績から激動の日中近代史を解き明かし、これからの日中関係を展望する一書。
目次
第1部 東亜同文会をめぐって(「興亜」と「文明」のあいだ―近衞篤麿を中心に;根津一の興亜思想について;東亜同文会の経営と近衞文麿)
第2部 日本人と中国人の相互認識(魯迅―作家人生のなかの日本;西安事件再考―蒋介石に対する評価と日本の対応;汪精衛を語ること―対中認識の一側面)
第3部 日本の政治・経済人の業績(加藤高明とその周辺;台湾近代農業の主導者―藤根吉春について;中川小十郎にとっての「アジア」;日中関係における「中国通」外交官―石射猪太郎をめぐる人々)
著者等紹介
池田維[イケダタダシ]
1939年生まれ。東京大学法学部卒業後、外務省に入省。アジア局長、官房長、オランダ特命全権大使、ブラジル特命全権大使を歴任。現在、一般財団法人霞山会理事長
嵯峨隆[サガタカシ]
1952年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学/博士(法学)。静岡県立大学名誉教授
小山三郎[コヤマサブロウ]
1952年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程単位取得退学/博士(法学)
栗田尚弥[クリタヒサヤ]
1954年生まれ。明治大学大学院政治経済学研究科博士後期課程満期退学。現在、國學院大學文学部講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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