諏訪学

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 545p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784336062543
  • NDC分類 387
  • Cコード C0039

出版社内容情報

独自の文化が現在でも脈々とうけつがれる土地、諏訪。諸分野の研究者が結集し脱領域に、極めて特異な信仰・文化体系を明らかにする。記紀とは異なる国譲り神話の伝承、在地の神である洩矢神(モレヤ神)、千鹿頭神(チカト神)、ソソウ神、その陰に見え隠れする天白、他界を放浪する甲賀三郎譚、そして日本民俗学史上最大の謎である神、ミシャグジ――。これら異貌の神々への信仰、タケミナカタの子孫と伝わる大祝、ミシャグジの祭祀を独占的につかさどる守矢家、伝承にのみその名を残し中世の闇に消えた風の祝など、独自の文化が脈々とうけつがれる土地、諏訪。「神話学」「物語学」「宗教学」「民俗学」「文化人類学」「芸能史学」「歴史学」「社会学」「考古学」といった、諸分野の研究者が脱領域的に結集し、悠久の縄文時代から近代までの時間の広がりの中に信仰の源流をさぐり、視座を三信遠からはるかユーラシアにまで広げた宗教芸能研究、さらには縄文図像学を援用し、その極めて特異な信仰・文化体系を明らかにする。

はじめに

総論 諏訪学の構築のために

第一部 諏訪の信仰・儀礼世界―中世から近代へ
 囚われの聖童たち―諏訪祭政体の大祝と神使をめぐって
 守屋山を巡る習俗と伝承
 産業の神たる諏訪明神―養蚕信仰の代替から結社の神格へ
●キーワード
御射山
御柱と古御柱
●諏訪学の先駆者
伊藤冨雄
金井典美

第二部 芸能・語りもの・信仰―三信遠とユーラシアの視界から
 諏訪信仰を拓く―諏訪神楽の視界から
 御室の猿楽―諏訪社・冬の祭の神事芸能
 天白は星のくらいの神なれば―天白巫試論
 ユーラシアの「甲賀三郎」―テュルクの英雄譚とシャマニズム
●キーワード
甲賀三郎と「しはんじょうの杖」
●諏訪学の先駆者
宮地直一
今井野菊

第三部 縄文神話
 対称弧刻文の神話考古
 大地に描かれた胎芽→胎児→出産像をめぐって―縄文図像と三木胎生学
●キーワード集
縄文図像学の源流
●諏訪学の先駆者
武井正弘
古部族研究会
鳥居龍蔵

諏訪フォーラム報告
おわりに

山本ひろ子[ヤマモトヒロコ]
著・文・その他/編集

挽地康彦[ヒキチヤスヒコ]
著・文・その他

坂井弘紀[サカイヒロキ]
著・文・その他

原直正[ハラナオマサ]
著・文・その他

田中基[タナカモトイ]
著・文・その他

小林公明[コバヤシキミアキ]
著・文・その他

折井克比古[オリイカツヒコ]
著・文・その他

宮嶋隆輔[ミヤジマリュウスケ]
著・文・その他

内容説明

記紀とは異なる国譲り神話の伝承、在地の神である洩矢神(モレヤ神)、千鹿頭神(チカト神)、その陰に見え隠れする天白、異界を遍歴する甲賀三郎、そして日本民俗学史上最大の謎である神、ミシャグジ―。これら異貌の神々への信仰など独自の文化が現在まで脈々とうけつがれる土地、諏訪。脱領域的に諸分野の研究者が集結し、中世から近代までの時間の広がりの中に信仰の源流をさぐり、語り物と宗教芸能の関係を三信遠からはるかユーラシアにまで視座を広げ、さらには縄文と神話考古の観点から、その極めて特異な信仰・文化体系を明らかにする。

目次

諏訪学の構築のために―序論にかえて
第1部 諏訪の神事と信仰―中世から近代へ(囚われの聖童たち―諏訪祭政体の大祝と神使をめぐって;守屋山の習俗と伝承;産業の神・諏訪明神―養蚕信仰から結社の神へ)
第2部 宗教芸能と伝承―三遠南信とユーラシアの視界から(神の子を孕むには―諏訪神楽再考;御室の猿楽―諏訪社・冬の祭の神事芸能;天白は星のくらいの神なれば―天白巫試論;ユーラシアの『甲賀三郎』―テュルクの英雄譚とシャマニズム)
第3部 縄文の神話考古(大地に描かれた胎芽・胎児・出産像をめぐって―縄文図像と三木胎生学;対称弧刻文の神話考古)

著者等紹介

山本ひろ子[ヤマモトヒロコ]
1946年生。早稲田大学第一文学部史学科中退。日本宗教思想史専攻。私塾「成城寺小屋講座」を主宰。和光大学表現学部名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

∃.狂茶党

9
諏訪の古相を読む学問の基盤となるような本。 幅広く、分厚い本書は、大変お得なので買いましょう。 まずは、儀礼や宗教行事、寺社縁起などのこと。 さらに諏訪に魅せられた学徒たちについて。 本書はそれにとどまらず、日本の起源近くまでダイヴしていく。 本書の終盤では、日本神話から、縄文へ至る文章が掲載されている。 そこに諏訪という地名はほとんどでないのだが、そこに触れねばならぬという理由も、それまでの文章を読んでいけば、諒解される。 良書。2022/03/08

ますりん

5
様々な立場で様々な角度から集められた論文集。ちなみに諏訪史の全体を網羅するという書にあらず、「はじめに」でいきなりピンポイントで「風の祝」という消えた祭りの話からだし。第一部は神事習俗の掘り下げと諏訪明神信仰の変遷。第二部は神楽猿楽など古の芸能を軸に諏訪と各地との間の伝播や、天白神に対する考察、甲賀三郎伝説と世界各地の伝承との比較など。第三部は大好物縄文期の土偶や墳墓と胎芽・胎児、出産と死のモチーフ(土偶と勾玉と墓、系統発生と胞衣、此岸と彼岸に宿神まで!)や土偶の図像学的なアプローチなど。いやあ、濃いな。2022/03/11

Oltmk

1
縄文土器にまつわる神話体系や諏訪にかって存在した祭祀などを残された資料や最新の研究を元に諏訪関連の学問を納めた専門書。ざっくりいうと諏訪の学問に興味がある初心者向けの書籍ではなく、ある程度知識を持たないと付いていけない人向けの専門書だが、日本神話のスサノオと胎内回帰など面白すぎる論考などもあり、個人的には甲賀三郎とユーラシア各地に残された英雄伝承を比較する論考が興味深かった。それぞれの論考を担当する研究者たちによって、それぞれクオリティは高いと思う。2019/06/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12752956
  • ご注意事項

最近チェックした商品