平凡社新書<br> 消された水汚染―「永遠の化学物質」PFOS・PFOAの死角

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平凡社新書
消された水汚染―「永遠の化学物質」PFOS・PFOAの死角

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  • サイズ 新書判/ページ数 327p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582859942
  • NDC分類 519.4
  • Cコード C0251

出版社内容情報

「永遠の化学物質」と呼ばれる有機フッ素化合物によって、東京の飲み水が汚染されていた。健康被害は、汚染源は──。情報開示請求を重ねるうちに見えてきた本当の危険とは。

内容説明

フライパンや防水スプレー、半導体、泡消火剤など、多岐にわたる用途で使われる有機フッ素化合物。発がん性が指摘され、世界では規制の波が押し寄せる。そんな便利で厄介な物質によって、東京・多摩地区の一部の地下水と飲み水が汚染されていた。住民に健康影響はあるのか。見えざる汚染源を追跡する過程で露わになったこの国の姿とは。

目次

「永遠の化学物質」
隠されていた地下水汚染
取水停止の衝撃
水質調査はされていた
見えない地下水脈
汚染源を追う
連鎖する無責任
日米地位協定の壁
日米合同委員会の闇
「空白」の舞台裏〔ほか〕

著者等紹介

諸永裕司[モロナガユウジ]
1969年生まれ。93年、朝日新聞社入社。週刊朝日編集部、AERA編集部、社会部、特別報道部などを経て、現在はマーケティング戦略本部所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クリママ

40
PFOS、PFOAなど有機フッ素化合物による地下水汚染。デュポン社のオハイオ川流域の汚染。沖縄の米軍基地で使われる泡消火剤にも含まれる。横田基地。日米地位協定に阻まれ、基地内の状況を知ることはできないが、それが多摩地区の水源を汚染している。米環境保護庁の勧告値や2016年の多摩地区の浄水所の取水停止。水道水には水質基準51項目、水質管理目標設定項目、PFOS、PFOAが令和2年に設定された要検討項目がある。が、著者が多くの関係者への取材、情報開示請求によって得られた資料で調べるものの、不透明である。⇒ 2024/07/01

まると

27
有機フッ素化合物による地下水汚染をゼロから追跡した調査報道の記録。綿密な情報公開請求や取材から、多摩地域でついに高濃度汚染が明かされる…のだが、浮かび上がるのは、情報開示に対する東京都などの消極姿勢と隠蔽体質、縦割りによる無責任な事なかれ主義だった。水俣病などが問題になってから半世紀を経てもなお、国や自治体が国民の命を第一に考えていないことに愕然とする。化学物質による地下水汚染に限らず、行政でもみ消されてしまっている問題はもっとあるに違いない。それを明かすべき役割を担う報道機関の力の衰えもまた深刻なのだ。2023/08/17

kan

21
東京多摩地区の地下水汚染の報道は衝撃だった。モニタリングで選ばれた、高濃度PFASが検出された国分寺市の東恋ヶ窪浄水所の近く、まさに東恋ヶ窪に昔住んでいた。当時90年代、アパートの大家さんが「この辺りは井戸水で美味しい」と誇らし気に言っていた。やるせないのは、また日米地位協定の壁か、ということに加え縦割り行政による責任の不存在と隠蔽体質。取水停止で解決にはならない。情報が都合よく隠され、知らぬ間に民主主義の根幹が崩れていく。「力あるものの情報を疑え」は、東京都の英語スピーキングテストにもあてはまる。2023/06/04

クサバナリスト

12
日米地位協定や縦割り行政による責任回避で、明確なデータが開示されない。真相を知らずに健康被害が拡大しているかもしれない地域住民がないがしろになっている。2022/03/13

introduction

5
とある団体で諸永氏によるPFOS.PFOAについての講演会を聞いた。興味が湧いて読んでみた。とんでもないことが起きているのにあまり日常的には話題にのぼらない国日本。タレントのスキャンダルよりこっちをもっと報道したらいいのに。2024/09/13

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