出版社内容情報
「永遠の化学物質」と呼ばれる有機フッ素化合物によって、東京の飲み水が汚染されていた。健康被害は、汚染源は──。情報開示請求を重ねるうちに見えてきた本当の危険とは。
内容説明
フライパンや防水スプレー、半導体、泡消火剤など、多岐にわたる用途で使われる有機フッ素化合物。発がん性が指摘され、世界では規制の波が押し寄せる。そんな便利で厄介な物質によって、東京・多摩地区の一部の地下水と飲み水が汚染されていた。住民に健康影響はあるのか。見えざる汚染源を追跡する過程で露わになったこの国の姿とは。
目次
「永遠の化学物質」
隠されていた地下水汚染
取水停止の衝撃
水質調査はされていた
見えない地下水脈
汚染源を追う
連鎖する無責任
日米地位協定の壁
日米合同委員会の闇
「空白」の舞台裏〔ほか〕
著者等紹介
諸永裕司[モロナガユウジ]
1969年生まれ。93年、朝日新聞社入社。週刊朝日編集部、AERA編集部、社会部、特別報道部などを経て、現在はマーケティング戦略本部所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クリママ
40
PFOS、PFOAなど有機フッ素化合物による地下水汚染。デュポン社のオハイオ川流域の汚染。沖縄の米軍基地で使われる泡消火剤にも含まれる。横田基地。日米地位協定に阻まれ、基地内の状況を知ることはできないが、それが多摩地区の水源を汚染している。米環境保護庁の勧告値や2016年の多摩地区の浄水所の取水停止。水道水には水質基準51項目、水質管理目標設定項目、PFOS、PFOAが令和2年に設定された要検討項目がある。が、著者が多くの関係者への取材、情報開示請求によって得られた資料で調べるものの、不透明である。⇒ 2024/07/01
オカピー
36
ここ迄踏み込んで真実を追求していく姿に、ジャーナリストの気骨を感じました。お役所は上から言われたことだけをやるという姿勢、都合の悪いことは隠蔽する、責任逃れをする。そう思われても仕方がないでしょうね。また米軍基地や周辺地域から基準値を超えるPFOSやPFOAが検出されても、因果関係が明確でないとか、日米地位協定の為に踏み込んでいけないとか障害がありすぎます。私達の生活に直結する「水」なので、今後も興味を持って見つめていきたいと思います。「毒の水」分厚い本ですが、興味のある方は読んでみたらいかがでしょうか。2025/11/20
まると
27
有機フッ素化合物による地下水汚染をゼロから追跡した調査報道の記録。綿密な情報公開請求や取材から、多摩地域でついに高濃度汚染が明かされる…のだが、浮かび上がるのは、情報開示に対する東京都などの消極姿勢と隠蔽体質、縦割りによる無責任な事なかれ主義だった。水俣病などが問題になってから半世紀を経てもなお、国や自治体が国民の命を第一に考えていないことに愕然とする。化学物質による地下水汚染に限らず、行政でもみ消されてしまっている問題はもっとあるに違いない。それを明かすべき役割を担う報道機関の力の衰えもまた深刻なのだ。2023/08/17
kan
21
東京多摩地区の地下水汚染の報道は衝撃だった。モニタリングで選ばれた、高濃度PFASが検出された国分寺市の東恋ヶ窪浄水所の近く、まさに東恋ヶ窪に昔住んでいた。当時90年代、アパートの大家さんが「この辺りは井戸水で美味しい」と誇らし気に言っていた。やるせないのは、また日米地位協定の壁か、ということに加え縦割り行政による責任の不存在と隠蔽体質。取水停止で解決にはならない。情報が都合よく隠され、知らぬ間に民主主義の根幹が崩れていく。「力あるものの情報を疑え」は、東京都の英語スピーキングテストにもあてはまる。2023/06/04
いとう・しんご
9
読友さんきっかけ。嘘をつくことなんかヘ~ッチャラ、法律を守る気は最初から無くって、むしろ自分たちの思うように憲法だって変えちゃおう~、みたいな政治家と彼らの奉仕するように作り替えられた行政機関のお話。追求する側も、もっと法律を読んで欲しいなぁ、と思いつつ、結局は、そもそも選挙に行かず、行ったと思ったら自民党や維新、SS党みたいなアホ極右どもにしか投票しない、そういう日本国民全体の問題なんだよね、と思いました。2025/11/28




