ワルプルギスの夜―マイリンク幻想小説集

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 438p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784336062079
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

内容説明

全15編が本邦初訳、ドイツ幻想小説派の最高峰マイリンクの1巻本作品集成。『白いドミニコ僧』『ワルプルギスの夜』の2長篇小説のほか、短篇8編とエッセイ5編を収録。

著者等紹介

垂野創一郎[タルノソウイチロウ]
翻訳家。1958年生まれ。東京大学理学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

90
冷たくも美しい幻想の世界が広がっていました。読み進めれば進めるほどハマりこむブラックホールのような空間は恐ろしくもあり、快感でもあります。文学に襲い掛かられるというのはこういうことかと思わずにはいられませんでした。短編、長編、エッセイと15作品がおさめられていますが、これだけのものを1冊で読めるのは恵まれていますね。幻想文学にテロのように銃口を向け、読者を魅了する。面白かったです。2018/03/22

藤月はな(灯れ松明の火)

84
マイリンクの前・後期短編と二つの長編、エッセイが組まれた作品集。訳者がペルッツ作品翻訳でお馴染みの垂井創一郎氏なのに驚くが、ひんやりとした幻想性があり、読みやすい。「熱」は冒頭文から引き込まれ、予言された未来への旅路とも言える悪夢性に酔いながらもラストで現実に引き戻される。表題作は皆、濃く、面倒臭い個性の持ち主だがペンギンさんが一番、好き。「白いドミニコ僧」の先祖帰りとも過去の再演とも言える不思議な現象からの主人公の超越ぶりに唖然呆然。そして一番、彼岸を見ていたのは作者だと知らしめるエッセイが最も白眉2018/01/09

優希

68
美しく昏い幻想的な世界が広がっていました。読んでいくにつれ、ブラックホールに吸い込まれてくような感覚に陥りまう。心理的な面も強いせいか、神秘的な雰囲気も感じました。恐ろしくもあり、快感でもある世界を味わいましたが、これが文学に襲われるということなのかもしれません。短編、長編。エッセイと合わせて15作品がおさめられていますが、これだけの作品を幻想と共に読めるのは幸せだと思います。2019/04/21

HANA

67
長編「ワルプルギスの夜」と「白いドミニコ僧」、並びに初期短編と後期短編を収録。本当に素晴らしい。幻想文学がこの世ならぬ世界を感じさせる文学だとすれば、この本に収められた諸篇はどれも紙の向こうや行の合間からその世界が透けて見えるものばかり。それが前世紀に流行したオカルティズムと結びつくと、まさに読む黄金へと変化する。短編も素晴らしいけれど上流階級の夜会が祝祭日的終末へと雪崩れ込む「ワルプルキスの夜」と『科学の結婚』を思わせる遍歴譚「白いドミニコ僧」はまた格別であった。著者の随筆も読むの初めてで興味深いし。2017/12/31

きゅー

15
マイリンクの作品はキリスト教思想を根底としていながら、そこにヨーガなど東洋思想が練り込まれた独特なものであり、その点では非常に難解だ。その傾向は特に「白いドミニコ僧」に強く、尸解(しかい)と剣解(けんかい)という中国の道教思想における人間が仙人になるプロセスを主人公のタウベンシュラークは語る。しかし同時に彼は、11人の父祖の知識を受け継ぎ円環の完成を担う者でもあり、また彼の名前のタウベンシュラークは鳩小屋を意味しており、白い鳩が羽ばたき出る真のキリスト者という名前の持ち主でもある。2018/09/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/12346528
  • ご注意事項

最近チェックした商品