内容説明
あまたの文献を渉猟・博捜して、縄文人の死や生に対する考え方、墓をつくって死者を葬ろうとした彼らの心、“再生シンボリズム”とその中核をなす“子宮”の意味にアプローチする、縄文解釈のドキュメンタリー。
目次
第1章 死の発見と心の起源
第2章 ものの形を決める心のメカニズム
第3章 民族学・民俗学の力を借りる
第4章 土器にみる子宮的性格
第5章 ムラや家の子宮的性格
第6章 ストーンサークルにみる子宮的性格
第7章 縄文人はなぜ死者を穴に埋めたのか
著者等紹介
大島直行[オオシマナオユキ]
1950年北海道生まれ。札幌医科大学客員教授。日本人類学会評議員、日本考古学協会理事、北海道考古学会会長などを歴任。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
11
一章はなかなか面白かったんだけど、続きがダメダメであった。。。。チョムスキー生成文法もユングの元型も、それがどのように人間の脳にインストールされたかは、一切問わないんだよなあ。。2019/01/03
みのくま
7
ユングの「普遍的無意識」の概念を適用して縄文人の思想を描いていくわけだが、竪穴式住居も土器も土偶も墓も基本的にぜんぶ子宮のメタファーになってしまうのは首を傾げざるを得ない。また、縄文時代は階級もなく資本主義もなく単純な社会構造であって、死に対する観念も恐怖ではなく畏怖であるという。しかし完全に縄文時代は現代と全く違う世界だったのだろうか。縄文人と感性が違う事を強調しすぎて、縄文社会を理想化してしまっている気がする。マルクス史観に非常に近接性があると思うのだ。本書を本気で受け止めるべきかはまだ留保しておく。2021/10/20
Junko Yamamoto
3
なかみ、薄かった。引用ばかり2024/03/02
よく読む
3
竪穴式住居=女性=水を運ぶ蛇=再生の象徴という解釈を展開する。このような観点は考古学の範囲外であるが、民俗学の知見を導入することで可能となる。竪穴式住居に屈葬された人もあり、なかなか想像が掻き立てられて面白い。アイヌの送りの話も出てくるが、アイヌは仏教思想の影響を受けたあとなので「あの世」を考えるが、縄文の時代には、「あの世」はなく、ただ再生を願っていたとのことである。著者は日本考古学協会の理事、北海道考古学学会の会長などを歴任しており、考古学学会に対する批判も本書には多い。2019/05/12
ゆうぼう
3
いまいち。いや、もっとかな。もう少し精神世界的なことが書かれていると思いきや。そうでもなく・・・。2019/05/05