内容説明
窓の外、煌々と照らす月で、廐舎の中庭は昼間かと思いまがう明るさだった。丸い御影石の舗道がダイヤモンドのようにきらめいている。暗がりまで光彩を放っているかのようだ。クレアは、突然強い衝動にかられた。推理小説の醍醐味でつむぐスピリチュアル・ファンタジー、イギリスから初上陸。
著者等紹介
ベリー,リズ[ベリー,リズ] [Berry,Liz]
ロンドン生まれ。作家、画家。若い世代のキャリア構築を助けるカウンセラー等の職を経た後、長らくロンドン東部の総合中等学校で美術の主任教師を務める。その一方、油彩画家、マルチ・アーティストとしての活動も続けてきた
田中美保子[タナカミホコ]
東京生まれ。東京女子大学で教鞭をとりながら、英語圏のヤング・アダルト文学やファンタジー文学の研究や翻訳・紹介をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
73
最も大切な事は分かっている。だが、それに付随する運命について義務と、個人の望みや感情が相反する場合、人は後者を選びがちだ。そして苦しみを味わった被害者がその傷から向き合わず、語らず、逃げる為に更なる被害者を生み出す不毛さ、それに対する後悔が生々しい。真逆、序盤に挿入された地母神、デメテルの神話がこういう事を暗示していたとは・・・。クレアはこの歳にしては随分、精神的に幼いのは気になる所でした。そしてすぐにでも目の前に浮かぶような光景に対し、昼ドラ顔前の因果とロマンスのギャップに目が点になりました(笑)2019/01/22
星落秋風五丈原
24
英国はドルイド伝説とか不思議な雰囲気が多い国ですが、その雰囲気とハーレクインロマンスっぽい現代ッ子(大胆だな~あっという間に元彼になっちゃう!別れてすらいないのに勝手に終わらせちゃうんだ!女強し)の恋愛が絡んだ物語。2017/08/09
グーグー
2
訳者あとがきにあるように、この作品は、ファンタジー、幻想小説、恋愛小説、推理小説、冒険小説、成長小説の要素が絡み合った物語で、物語にグイグイ引き込まれ、時間も忘れて読み耽った。視覚的描写がうまいので、情景が映像として目に浮かぶ。 2017/09/27
Mayumi O
1
タイトルもとてもロマンティック。翻訳されるまでに随分と時間が掛かった作品だけど、今、読めてよかった。2017/10/30