内容説明
20世紀初頭のロシアでは、シャーロック・ホームズ・ブームが起き、ロマノフ王朝最後の皇帝、ニコライ二世もホームズ物語を愛読していた。そんな人気のなか、ロシア帝政末期(1907‐08年頃)に書かれた、幻のパロディ作品を集成。モスクワ、ペテルブルグ、シベリア…ロシア全土を舞台に、ホームズとワトスンが難事件に立ち向かう!
著者等紹介
久野康彦[キュウノヤスヒコ]
1967年生まれ、千葉県出身。北海道大学文学部卒業、東京大学大学院修士・博士課程修了。論文「革命前のロシアにおける大衆小説―探偵小説、オカルト小説、女性小説」によって博士号取得(2003年)。現在、青山学院大学、立教大学他非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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oldman獺祭魚翁
38
頂き物 なんと帝政ロシア時代に書かれたホームズのパスティーシュ 当然舞台はロシアなのだが、僕たちはその頃のロシア文学と言えばトルストイやドストエフスキー等しか知らない。だが当然ロシアにも大衆小説はある訳で、この本はその中のホームズに焦点を当てた珍品。まぁ聖典と比ぶべくも無い内容では有るけれど、これはこれで楽しめる。当時のロシアの内情もうかがえる、ある意味貴重な本と言える。シャーロッキアンなら一度は目を通して置いて損は無い。2017/10/10
橋川桂
12
パスティーシュ、というより、著作権の概念が曖昧だった時代に書かれた、今で言うなら海賊版になるのか。収録されているのは二人の作家だけど、一方のP・ニキーチンには複数作家の共有ペンネーム説もあるとかで、ちとややこしい。2019/01/06
紫草
10
ロシアのホームズ。いつもに比べてあんまり推理しない。とりあえず行くぞって感じで突っ込んで行って、悪いやつと戦って捕まえるホームズ。これが、舞台がロンドンで周りにハドスン夫人やレストレードさんがいたりしたら、相当違和感あったかもしれないけど、ロシアなので許せるかな。「ホームズ万国博覧会」の「ロシア篇」で、ロシアの作家が書いたロシアのホームズなのですが、「中国篇」「インド篇」もあるようなので、読んでみようかな。(怖いもの見たさ的な?)2017/11/23
スプリント
6
ロシアを舞台にしたホームズ作品です。雰囲気はでていますが肝心の推理部分がとても薄いです。2017/11/18