内容説明
アーサー王伝説を踏まえたファンタジー「幻影の盾」。SPレコードにまつわる怪異をえがいた「サラサーテの盤」。妖しい幽霊屋敷を舞台にした都市幻想小説「白血球」。超現実主義的手法で夢の世界を克明に記述した「夢の中での日常」。他全48編。
著者等紹介
富士川義之[フジカワヨシユキ]
1939年生れ。文芸評論家・英文学者
別役実[ベツヤクミノル]
1937年生れ。劇作家
堀切直人[ホリキリナオト]
1948年生れ。文芸評論家
種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年生れ。2004年没。文芸評論家・独文学者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
29
『新編 日本幻想文学集成』第8巻は「漱石と夢文学」と銘打たれ、夏目漱石・内田百閒・豊島与志雄・島尾敏雄の4作家が収録されている。「夢十夜」や「倫敦塔」をはじめ、漱石の収録作はすべて再読となったが、デビュー間もない頃からすでに漱石は幻想小説を積極的に書いていた。そもそも『吾輩は猫である』からして、幻想的設定ではあるのだ(なにせ、猫の一人称なのだから)。言わずもがなだが、漱石はポーの影響を色濃く受けてもいる。内田百閒はその随筆がそうであるように、幻想小説においても、どこか可笑しみを感じさせる作風だ。(つづく)2018/03/16
:*:♪・゜’☆…((φ(‘ー’*)
2
ドラマチックではないがとても味わいのある作品の数々。濃い味の外食続きの人が、おばあちゃんのおにぎりをたべてほっとするような気持ち。100年も前の話ではないのにとてつもなく昔の気配を感じる、日本人の心の在り方は大きく変わったのだなー実感した。戦前から戦後と世の中が大きく変化した中で活躍、あるいは自滅していった作家さんたちの心のうちを解説で知ることができた。豊島与志雄さんと島尾敏雄さんは初めて知ったが、とてもはまったのでこれから他の作品も探して読もうと思って楽しくなった(^^)2018/03/19
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