ハヤカワ文庫<br> 緑の瞳

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ハヤカワ文庫
緑の瞳

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784150107567
  • NDC分類 933

内容説明

男の名前はドネル・ハリソン。詩人。だが彼は普通の人間ではない。死後数時間以内の新鮮な死体の脳に、墓地に棲息する特殊なバクテリアを注入することにより、死から呼び戻されたゾンビーなのだ!しかも復活する以前の死体は、ドネル本人のものではない。彼の人格はどこから来たのか?自分は何者なのか?脳がバクテリアに侵しつくされ、瞳が緑の輝きをおびるまでしか生きられないことを悟ったドネルは、人里離れた秘密の研究所を脱走して、放浪の旅に出るが…アメリカ南部のむせかえるような熱気の中に、生と死の織りなす不気味なSFゴシックを構築した俊英の話題作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

えか

44
偶然にもゾンビが出てくる本を続けて読んだ。とはいえ〈ストーカー〉の方のゾンビは、謎の異星人の訪問を受けた地区の墓から何故か生き返った人たちであり、彼ら自身、自分たちの状況を認識しているわけじゃなく、ただ生前の生活パターンを模しているだけの無害な屍人だ。ではこちらのゾンビはというと、どうも、中米の墓場に棲息するバクテリアの助けを借りて生き返る死体のことらしい。豆科植物の根粒に生きるこやつら、死体に取り憑くと、活動停止していた人のDNAの欠損を自分のそれで補い、RNAの転写活動を再活性化させてしまう。⇨ 2025/07/22

ニミッツクラス

28
88年(昭和63年)の580円の青背初版。「竜のグリオールに…」と同時期発表(84年)の作品。書影が暗いが、頭部のX線画像で元々暗い。本書、単純にゾンビ物と書くと語弊がある…死にたての主人公ドネルらは墓場のバクテリアで蘇生させられたゾンビだ。緑に光る瞳と寿命の短さ(数時間~数ヶ月)と散発する異能が特徴。寿命回復のひらめきを得たドネルは研究所を脱走する。郊外や市井での描写はいかにもシェパードだ。他方、内省的な死生観はシルヴァーバーグか暗いバラードの様で、それらが460頁のブ厚さに書き込んである。★★★★☆☆2022/06/22

スターライト

17
特殊なバクテリアで死体を蘇生させる実験が行われている1987年のアメリカの秘密の研究所から脱走した、ゾンビーであるドネル・ハリソン。そして彼と行動を共にし、愛し合う仲となる女性療法士ジョカンドラ。怪奇小説めいた設定に、ブードゥー教もからみ、不気味さを増していく。生命とは何かとの問いかけが、ドネルとジョカンドラの愛の物語が横糸となることでより深みのあるものとなっている。21世紀の巨匠と期待されたギブスン、ベア、スターリング、ロビンスンがいまだ健在な中で、シェパードだけがすでに亡くなったのは悲しい。2018/09/01

ヴィオラ

13
科学的な理由付けはしてあるものの、いきなりのゾンビw から、超能力SF、ミュータントSFの流れなのか?と思いつつ読んでいたら、読み終わった感触は怪奇幻想小説…という、なんだか良く分からない一冊…。 これが初長編とか…なんだか底の知れない作家さんであるのは感じるんですが…とりあえず、やっぱりあんまりハマらない作家さんみたいで申し訳ない(^◇^;)2018/12/29

記憶喪失した男

5
登録もれ。普通の超能力SFだった。2015/01/31

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