怪談おくのほそ道―現代語訳『芭蕉翁行脚怪談袋』

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  • サイズ B6判/ページ数 290p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784336060112
  • NDC分類 913.56
  • Cコード C0095

出版社内容情報

江戸時代後期に成立した奇談集『芭蕉翁行脚怪談袋』を読みやすい現代語に訳してお届けする「もう一つの〈おくのほそ道〉」。「おくのほそ道」で巡った土地のみならず、西国諸国まで訪れた芭蕉が諸国行脚の途上で遭遇する怪異の数々。明らかになる名句にこめられたもう一つの意味。松尾芭蕉とその門人たちを主人公として、江戸時代後期に成立した奇談集『芭蕉翁行脚怪談袋』を、読みやすい現代語訳に、鑑賞の手引きとも言うべき解説を付してお届けする「もう一つの〈おくのほそ道〉」。


第一話 芭蕉翁、美濃へいたること 付 怪しき者に逢うこと
第二話 支考、四条河原に涼むこと 付 狸、女に化けしこと
第三話 翁、大内へ上がること 付 狂句に得手しこと
第四話 去来、伊勢参りと同道のこと 付 白蛇、龍となりしこと
第五話 翁、備前岡山を越えること 付 ヒ々に逢いしこと
第六話 翁、追剥の恵みにあいしこと 付 山上戸治郎がこと
第七話 翁、備前の阿川にて難義にあいしこと 付 何となく仇をふくす話のこと
第八話 嵐雪、上州館林にいたること 付 僧、狐に化かされしこと
第九話 其角、猫の恋の句のこと 付 多葉粉屋長兵衛、猫の報いを受けしこと
第十話 近江の千那のこと 付 次郎兵衛道心がこと
第十一話 翁の石碑のこと 付 星崎松風の里夜寒の里などのこと
第十二話 翁、筑前小佐川を越えること 付 戸塚夫婦霊魂のこと
第十三話 翁、北国行脚のこと 付 下麿権六がこと
第十四話 翁、迷子を知らせしこと 付 馬古ヶ原石碑のこと
第十五話 許六、一句にて道を定むること 付 青野ヶ原狐のこと
第十六話 翁、吉六に戯れて句作のこと
第十七話 支考、門人杜支が方へいたること 付 おそろしき夢を見ること
第十八話 芭蕉、伊予の松山へ越えること 付 松平隠岐守殿へ召さるること
第十九話 翁、樵夫が秀句を感ずること 付 翁、狼に遭いしこと
第二十話 其角、お菊が物語のこと 付 杜若の一句のこと
第二十一話 其角、夢に句を得しこと
第二十二話 翁、梅若の塚に詣でること 付 あやしき童子に逢うこと
第二十三話 其角、目黒にての句のこと 付 千代ヶ崎の由来のこと
第二十四話 芭蕉、深川にて病死のこと 付 門人追善一句の咄し

解題――『芭蕉翁行脚怪談袋』の世界――
参考文献一覧

伊藤龍平[ イトウリョウヘイ ]
1972年、北海道生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。現在、台湾・南台科技大学助理教授。専攻、伝承文学。
著書に、『江戸の俳諧説話』(2007)、『ツチノコの民俗学』(2008)、『江戸幻獣博物誌』(2010)、『現代台湾鬼譚』(2012、謝佳静との共著)、『ネットロア』(2015)、編著書に『福島県田村郡都路村説話集』(2014)、訳書に、『棗と石榴』(2014、葉蓁蓁との共訳)などがある。

内容説明

『おくのほそ道』で巡った土地のみならず、西国諸国まで訪れた芭蕉が諸国行脚の途上で遭遇する怪異の数々。明らかになる名句にこめられたもう一つの意味。松尾芭蕉とその門人たちを主人公として、江戸時代後期に成立した奇談集『芭蕉翁行脚怪談袋』を、読みやすい現代語訳に、鑑賞の手引きとも言うべき解説を付してお届けする「もう一つの“おくのほそ道”」。

目次

芭蕉翁、美濃へいたること―付 怪しき者に逢うこと
支考、四条河原に涼むこと―付 狸、女に化けしこと
翁、大内へ上がること―付 狂句に得手しこと
去来、伊勢参りと同道のこと―付 白蛇、龍となりしこと
翁、備前岡山を越えること―付 〓々(ひひ)に逢いしこと
翁、追剥の恵みにあいしこと―付 山上戸治郎がこと
翁、備前の阿川にて難義にあいしこと―付 何となく仇をふくす話のこと
嵐雪、上州館林にいたること―付 僧、狐に化かされしこと
其角、猫の恋の句のこと―付 多葉粉屋長兵衛、猫の報いを受けしこと
近江の千那がこと―付 次郎兵衛道心がこと〔ほか〕

著者等紹介

伊藤龍平[イトウリョウヘイ]
1972年、北海道生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程修了。現在、台湾・南台科技大学助理教授。専攻、伝承文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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HANA

56
江戸時代の奇談集『芭蕉翁行脚怪談袋』の現代語訳。芭蕉やその弟子達が奇妙な出来事に出会うという内容であるが、怪談というと疑問符の付くような話が多い。どちらかというと当時流行した諸国物語や芭蕉一派の行状記のような趣があるな。幽霊にまつわる話とか狐に騙された話など江戸らしい話が多いのだが、当時の怪談と比べても微妙にとりとめが無く凄みに欠ける。役者の言う通り、当時のイメージ化された芭蕉を読み取るのが面白い読み方だと思う。あと一話一話についている解説の情報量もまた凄い。空想上の俳聖の旅、面白く楽しむ事が出来た。2016/05/31

アカツキ

10
松尾芭蕉とその門人たちを主人公とした奇談集「芭蕉翁行脚怪談袋」の現代語訳。刊本ではなく写本として出回っていて、作者は不明。虚構の色が濃いという。幽霊が出るから一応怪談ではあるけれどまったく怖くなく、むしろ人間の方が粗暴で怖い。さらにいうと、著者の解説の方が面白いまである。2025/05/27

冬峰

3
すまない、読めなかった。というのも翻訳の元になっている本のことを全く知らない。そしてこの本は最初に作品の紹介もないまま、いきなり訳文が始まる形になっており、置いてけぼり感がすごい。なので最後の解説を先に読んでみたが、うーん…なかなかマニアックなジャンルのようだ。また今度にしよう。2023/02/26

禿頭王

3
江戸時代に刊行された『芭蕉翁行脚怪談袋』を現代語訳したもの。芭蕉の句や旅、彼の周りに集った門人たちの逸話などを上手く織り交ぜながら、新しい怪談話として再構築した物語を楽しめます。怪談というよりは、奇談集と言うべき内容で、細かい用語や物語のプロットなどを深掘すると面白そうです。2022/12/31

ロックイ

2
松尾芭蕉といえば国語で習っただけ。という全く無知の状態で読み始めましたが、著者の解説が有名な解りやすい句や歌を例として用いてくれていたので以外や以外、楽しく読めました。しかし時代のせいでしょうか、怪談とありますが、そうは思えませんでした。おどろおどろしい部分は無く、そういった怪談話を期待していたら裏切られたと思うかもしれません。奇談とした方がしっくりくる気がします。無知の初心者に言われても甚だ説得力に欠けますが(苦笑)2016/07/18

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