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出版社内容情報
大戦前夜を舞台に、一人の若者がたどる破滅と神話的再生の物語。『選ばれた女』『釘食い男』の前日譚。多声的小説の傑作、待望の翻訳
天性の美貌をほこる主人公ソラルは十六歳のときケファリニアのゲットーから抜け出し、「運命の女性」オード・ドゥ・モーサンヌと結婚、フランスで二十五歳の若さで大臣となり、宮廷のユダヤ人ヨセフのように時の花をかざすが、結局は根無し草にすぎない孤独な自分に気付いて絶望の淵を彷徨う。ゲットーの家族との絆を完全には断ち切れず、新たなアイデンティティーも確立できぬまま、本来の目的である西欧社会への同化に失敗し、その生を終わろうとするが……。 アカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞した傑作『選ばれた女』の前日譚。
【著者紹介】
1895年、コルフ島に生まれる。5歳で両親と共にマルセイユに移住。ジュネーヴ大学法学部で学ぶ。1919年、スイス国籍取得(それまではオスマン=トルコ国籍)。フロイト等が編集委員に連なる雑誌「ラ・ルヴュー・ジュイヴ」の編集に携わり、1925年1月第1号を発行、シオニズムの大義の鼓吹者となる。小説「ソラル」(1930)、「釘食い男」(1938)で名声を博する。1939年、ユダヤ機関の政治局顧問となり、パリで政治に外交に手腕を発揮するが、大戦勃発と共にロンドンに逃れ、ユダヤ機関の代表として各国の亡命政府とナチスから逃れてきたユダヤ人との協力関係樹立に重要な役割を果たす。
内容説明
16歳のときギリシア・ケファリニア島のユダヤ人社会を飛び出した美貌の少年ソラル。たぐいまれなる美しさと野心を合わせ持つ少年は、「運命の女性」オード・ドゥ・モサヌと結ばれ、25歳の若さでフランスの労働大臣まで登り詰める。しかし自ら捨てたはずの出自と、西欧社会の間で苦悩し絶望に陥った彼は、やがて破滅への道を歩み始める―。圧倒的に饒舌な語りと狂奔する熱情がからみあう傑作長編。アカデミー・フランセーズ小説大賞を受賞した名作『選ばれた女』へとつながる物語。
著者等紹介
コーエン,アルベール[コーエン,アルベール] [Cohen,Albert]
1895年、現在はギリシア領であるコルフ島に生まれる。ジュネーヴ大学法学部で学ぶ。1919年、スイス国籍取得(それまではオスマン=トルコ国籍)。詩人アンドレ・スピール、ハイム・ヴァイツマンとの出会いがシオニスト・コーエンを産む。1924年、ヴァイツマンの要請に応え、パリで、アインシュタイン、フロイト等が編集委員に連なる雑誌「ラ・ルヴュー・ジュイヴ」の編集に携わり、1925年1月第1号を発行、シオニズムの大義の鼓吹者となる
紋田廣子[モンダヒロコ]
1939年、静岡県生まれ。法政大学文学部日本文学科卒業。SBS静岡放送勤務後、パリ留学。2000年7月まで画廊に勤務し、展覧会実施、翻訳、通訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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