出版社内容情報
西欧の美術・文学の受容のなかで漱石文学は成立したが、その細部については未だに未解明な部分が多い。比較文学的手法によりそれらを
西欧の美術・文学の受容とゆたかな東洋文化の素養のなかで漱石文学は成立したが、その細部については未だに未解明な部分が多い。比較文学的手法によりそれらを解き明かし、新たな漱石像を構築する斬新な試み。
――近代日本の運命を、世界の潮流のなかで見据えた「国民作家」漱石。
日本の行く末を指し示し、世に問うたそのテーマは、21世紀の私たちにも語りかける。
【著者紹介】
東京に生まれる。東京大学大学院比較文学比較文化博士課程修了。ハーヴァード大学客員研究員、慶應義塾大学講師、東京女子大学助教授、ライデン大学東洋文化研究所客員教授、国立台湾大学客員教授を歴任。
内容説明
漱石のゆたかな世界を、斬新な手法と比較文化の視野で読み解く画期的な作家論。近代日本の運命を、世界の潮流のなかで見据えた「国民作家」漱石。日本の行く末を指し示し、世に問うたそのテーマは、二十一世紀の私たちにも語りかける。
目次
眼は識る東西の字
漱石と世紀末の女性たち―ヒロインの肖像
漱石の「英詩」から『薤露行』へ
漱石のポー論
二人であることの病い―漱石の『こゝろ』とポー
暗黒への旅―『坑夫』の成立
漱石における「個人」と「国家」
遅れて来た死―漱石の『こゝろ』と鴎外『興津彌五右衛門の遺書』
迷宮都市の光と闇―『彼岸過迄』
ハーン・転生・『夢十夜』第一夜
『明暗』―ポリフォニーの世界と他者
漱石の「風景庭園」論とピクチャレスク美学―ポープ、ターナー、ワーズワース
夢想の『庭』―漱石、蕪村、王維
荒野からピクチャレスクへ―ポー、ホーソン、ジェイムズと「理想の風景」
著者等紹介
池田美紀子[イケダミキコ]
東京都に生まれる。1976年、東京大学大学院比較文学比較文化博士課程修了。ハーヴァード大学客員研究員、慶應義塾大学講師、東京女子大学准教授、ライデン大学東洋文化研究所客員教授、国立台湾大学客員教授をつとめた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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