出版社内容情報
バベルの図書館シリーズ、ラテンアメリカ・中国・アラビア編。「イスール」「青い虎」ほか全40編を収録。
バベルの図書館シリーズ、ラテンアメリカ・中国・アラビア編。アルゼンチン短篇集、千夜一夜物語ガラン版、千夜一夜物語バートン版、蒲松齢、ルゴーネス、ボルヘスの巻。「イスール」「青い虎」ほか全40編を収録。
アルゼンチン短篇集*内田吉彦訳
内容説明
“書物のなかでも実人生におけるのと変わらぬ幸福な味わいを残してくれる”―こうボルヘスが断言する『アラジンの奇跡のランプ』ほか全40編及びインタビュー「等身大のベルヘス」を収録。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
どこからバージョンなのか? 作品を同じ言語で2人が訳せばそう呼ばれるのか?(2つの訳の「イスール」) 2つの言語で訳され、さらに訳者の創作を混ぜてもそうなのか?(ガラン版『千一夜物語』の「アラジンの奇跡のランプ」) それとも、バージョンとして西洋と東洋の怪奇物語が分岐したのか?(「魔術街道」) 否、猿は人間が口をきかないバージョンだと「イスール」にあるぞ!と青い小石は語り出し、逆向きの進化によって読者の理性を壊す(「青い虎」)。青い小石、別名バベルによれば、作品とは自ら分岐を繰り返して増殖するものなのだ。2020/03/12
Susumu Kobayashi
3
とうとう最終巻を読了。この巻には編者の生国アルゼンチン、アラビア、中国の作品が収録されている。『アルゼンチン短編集』収録のビオイ=カサレスのSF「烏賊はおのれの墨を選ぶ」のあっけらかんとした味わいがいい。『千夜一夜物語』がガラン版とバートン版で収録され、「アラジン」の話が中国が舞台と知って仰天。ボルヘス自身の「疲れた男のユートピア」も面白かった。アルゼンチンの作品にはSF風の作品が多かった。ルゴーネスの「イスール」が重複して収録されているのは、編者のうっかりミスか。異なる訳者による翻訳が読めるわけである。2016/01/28
Biofeedback1961
2
大体は知っているはずである『アラジンの奇跡のランプ』「千夜一夜物語」ガラン版。 最後はボルヘスを。『青い虎』など4作品とインタビュー。偉大なりボルヘス。まだまだ味わうには僕は青い。2022/03/10
takao
2
ラテンアメリカ・中国・アラビア編2021/02/01
gibbelin
1
ありがとうボルヘス。本日本語訳版には多彩な訳者の集っているあたりも幸福なバベル感。2013/08/14