出版社内容情報
昭和17年に刊行され、後にGHQ没収図書とされた『米英の東亜侵略年譜』を補筆訂正し改題。当時の歴史観を窺い知る貴重な記録。
大航海時代から欧米列強によって進められたアジア・太平洋への侵略、植民地化の歴史を海軍報道班員が戦時の国民に伝える。信長の時代から江戸、幕末明治を経て開戦に至るまでの世界情勢。昭和17(1942)年に刊行された『米英の東亜侵略年譜』(柴田賢一著)を底本とし、仮名づかいを改め補筆訂正、改題。原著は終戦直後GHQの没収図書となった。戦時中という異常な時代の貴重な記録。
【著者紹介】
戦時中、大本営海軍報道班員としてアジア・太平洋各地を取材し数々の著作を発表した。GHQによって没収図書となった著書が最も多い著者の一人。
内容説明
本書は、年表とは言うものの出来事を無機質に並べた履歴書ではない。海外の情報をかき集め、翻訳し、国民に向けて急いで世界情勢を伝えようとしたものである。米英の政治的な動きのひとつひとつに呼応する日本の焦りや不満、間近に迫った緊張など、時代背景を伴った感情が現れ、現代の感覚でみれば一方的な表現も見られる。それらも含め、戦時下という異常な時代の貴重な記録である。
目次
アメリカ合衆国
イギリス
オランダ
著者等紹介
柴田賢一[シバタケンイチ]
明治35年、福岡県芥屋に生まれ、昭和4年に東京帝国大学文学部美学科を卒業。在学中から新聞に小説を寄稿したほか、鈴木三重吉の『赤い鳥』に童話を発表するなど執筆活動を幅広く積極的に行った。卒業後、誠文堂新光社に入社すると『世界地理風俗大系』の編集を担当し、『世界知識』の発刊に伴い編集長となる。戦中の昭和17年、海軍報道班員としてシンガポール、ビルマ、仏領インドシナと、アジア各国の前線をめぐり、海外諸国の政策についての論文を多数翻訳し紹介した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。