出版社内容情報
日本写真史上欠かすことのできぬ作家として名のみ知られる堀野正雄の、これまで明らかでなかった全体像を初公開する画期的写真集。
堀野正雄(1907-2000)は新興写真の旗手として、日本の近代写真の成立と展開を語る上で欠かすことのできない写真家として名前は知られているが、その実際の活動の検証と評価、位置づけはこれまで不十分なものだった。しかし近年、写真史はもとよりデザイン史やメディア史の若い研究者たちが強い関心を寄せており、その研究の成果も見えはじめてきた。本書は幻といってよい堀野正雄の仕事の全体像を初めて明らかにすることによって、1930年代を中心とする写真史にあらたなヴィジョンを構築するものである。1920年代の築地小劇場を中心とする舞台写真やポートレイト、舞踏家の写真にはじまり、写真集『カメラ・眼×鉄・構成』、『犯罪科学』誌を中心とするグラフモンタージュ、『NIPPON』や『主婦の友』などの雑誌に発表した報道写真など、戦前の堀野正雄の活動を、遺族の所有するオリジナル・プリント約100点を中心に、関係資料、論考などで堀野正雄の軌跡を一望。日本写真史に重要な位置を占める堀野の全貌を明らかにする初めての書籍であると同時に、若い世代にも注目されているそのモダニズムの感覚を十二分に味わうことができるだろう。
内容説明
「新興写真」の旗手として名のみ知られる幻の写真家の全体像を初めて明らかにする画期的写真集。
目次
第1部 築地小劇場と新興舞踊
第2部 写真実験への挑戦―『カメラ・眼×鉄・構成』
第3部 写真実験の展開―グラフ・モンタージュの世界
第4部 近代日本
第5部 女性美の探究
第6部 大陸へ