内容説明
涙と笑い、義理と人情、下ネタとお色気、アクションとメロドラマが渾然一体となった奇跡のエンターテインメント、大衆娯楽映画の金字塔『トラック野郎』。ファンの心をつかみ続ける大ヒットシリーズの魅力を監督自ら綴る痛快回想録。全身娯楽映画監督、初のエッセイ集。
目次
雪の下北・はぐれ鳥―『トラック野郎』発進す
『トラック野郎』の表方たち
故郷喪失者の挽歌―『トラック野郎』をめぐって
『トラック野郎』の裏方たち
映画は無軌道の花電車である―わが娯楽映画六十本の軌跡
爆走し続ける『トラック野郎』
著者等紹介
鈴木則文[スズキノリブミ]
1933年静岡県生まれ。映画監督。立命館大学中退。1954年、東映京都撮影所入社。助監督時代はマキノ雅弘、内田吐夢、加藤泰に師事する。1965年『大阪ど根性物語どえらい奴』で監督デビュー。以後、任侠もの・コメディ・ポルノ・アクション・漫画原作もの等々あらゆるジャンルの娯楽映画を監督、ヒットメイカーとして活躍。代表作に『トラック野郎』シリーズ(全十作)の他、『関東テキヤ一家』『エロ将軍と二十一人の愛妾』『不良姐御伝』など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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midnightbluesky
4
個人的には健さんよりも文太派なのを改めて認識。裸の女優と一緒に風呂に入るスタッフの写真を見ると、本当に昔はムチャクチャでよかったなぁ、と変な感心をしてしまった。2014/03/04
h
4
まず、映画の制作秘話が問答無用におもしろい。実に様々な人との縁やドラマを下敷としたからこそ生まれた映画がトラック野郎だとわかります。それでもUFOが出てくるのが偉大なる則文監督なんですけど…。足と心で映画を撮る則文監督は文章にも通俗性たっぷり。則文映画を追いかける入り口にもなる本です。娯楽映画とは何かという記述は今の映画に足りないものを考えるきっかけも与えてくれます。未発表シナリオや構想の記述には垂涎必至でしょう。それにしても「温泉みみず芸者」の集合写真ほど幸せに包まれた写真は、生まれて初めて見ましたよ!2010/05/26
garth
4
万人が読むべき名著!映画はもちろん底抜けにハッピーなのだが、本を読むだけでも幸せにしてくれる。美麗写真の数々も素晴らしい。2010/05/22
inokori
2
国書刊行会刊ということで「値が張るからパスか…」(会社の方ゴメンなさい)と尻込みしていたが,買って読んで大正解.観るたびいつも「くだらない!」「バカバカしい!」と爆笑して泣かせる鈴木則文作品,その監督自らペンを執った『トラック野郎』を中心とした回顧録.雑誌連載ということもあって折々のエピソードにも触れつつ流麗に綴られる文章は,読み休むことができなかった.娯楽作品職人の心意気が横溢.造本もすばらしい.2010/09/06
Kenshi
1
なんともいえん幸福感にひたれる本。シネマヴェーラの特集上映にはいつも則文監督が観にこられてて、上映後席から立ち上がって「皆さん、面白かったですか?」とお客さんに語りかけてました。2011/11/30