内容説明
二十世紀初頭アメリカで大きな影響力を持ちながら、やがて消え去った労働運動組織、世界産業労働者同盟―IWW(Industrial Workers of the World)。その運動の興隆と衰亡を、ジャック・ロンドン、ジョン・リード、アプトン・シンクレア、ジョン・ドスパソス、ダシール・ハメットといった多様な文芸作品のなかに分け入り明らかにする画期的論考。
目次
ジャック・ロンドンに見られる「共通する戦闘的精神」
2 「詩人」ジョン・リードのウォブリー精神
3 人道主義者アプトン・シンクレアの感傷
4 ユージン・オニール『毛猿』のIWW
5 フロイド・デル「ハレルヤ、アイム ア バム!」のIWW
6 マイケル・ゴールド、一九一四年春の覚醒
7 ダシール・ハメット、一九一七年の経験
8 前田河廣一郎の共感と憧憬
9 一九三〇年代前半のストライキ小説の中のIWW
10 ジョン・ドスパソスが描く下降するIWW
追記1 『アメリカプロレタリヤ詩集』の訳者たちにとってのIWW
追記2 アレキサンダー・サクストン『グレート・ミッドランド』のなかの退場するIWW
著者等紹介
中田幸子[ナカダサチコ]
1955年東京女子大学文学部英米文学科卒業。1958年東京都立大学大学院人文科学研究科修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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